特定のシステム停止が発生した後、データベースインスタンスを回復するには、REDO ログエントリ (ログバックアップ) が必要となります。REDO ログエントリには、データベースユーザがデータに加えたすべての変更が記録されています。
システム障害などによりログ領域が損傷した場合、データ領域に書き込むことができなくなった最新のデータ変更は、ログバックアップによってのみ再実行することができます。
システム停止が原因でデータ領域への最新のデータ変更の書込が実行されなかったものの、ログ領域がシステム停止による損傷を受けていない場合、ログバックアップは必要ありません。
この場合、再起動時にログ領域のREDO ログエントリを使用して、データ変更を再実行することができます(例: 再起動を参照)。
定期的なログバックアップが重要となる別の理由として、データベースシステムでは、ログ領域の保存済ログセグメントにのみ新しい REDO ログエントリを上書きすることができる点を挙げることができます。
REDO ログエントリをログ領域に書き込むことができなくなると (ログ領域が一杯になった場合)、データベースは停止します。
ログのバックアップを実行しないと、作業を続行することができません。例外: ログ領域の上書モードを有効にしている場合 (ログ設定を参照)。
● REDO ログエントリをバックアップするには、データベースインスタンスによって 1 つ以上の完全データバックアップが作成されている必要があります。
● バックアップテンプレートを定義しておく必要があります (バックアップテンプレートとデータキャリアを参照)。
● データベースインスタンスの操作状態は ONLINE または ADMIN です。
● 対話式ログバックアップの実行中は、他のバックアップを開始することはできません。
例外: 自動ログバックアップが有効になっている場合は、データのバックアップを実行することができます。
● Microsoft Windows の場合のみ: リモートコンピュータ上のデータキャリアにバックアップする場合は、リモートコンピュータによるデータのバックアップとリストアで説明するステップを実行する必要があります。
ログ領域の REDO ログエントリをデータキャリアに定期的にバックアップします。
REDO ログエントリを自動的にバックアップすることもできます (自動ログバックアップの有効化と無効化)。
ログバックアップを実行する場合は、最後のログバックアップ以降にデータベースシステムにより書き込まれたすべての REDO ログエントリをログ領域からデータキャリアにバックアップします。データベースマネージャのデータベースツールを使用するか、または SAP システムの CCMS を使用することができます。
ファイルへのバックアップ用のバックアップテンプレート、またはパイプへのバックアップ用のバックアップテンプレートを使用することができます。
● ファイルへのバックアップの場合、必要な数のファイルが順次作成され、ログセグメントのサイズに対応する量のデータが各ファイルに保存されます。残りのデータは最後のファイルに保存されます。
● パイプへのバックアップには若干の制限が適用されます。さまざまなデータキャリアタイプに関する情報を参照してください。
手順については、以下を参照してください。
データベースマネージャ GUI、バックアップ手順
データベースマネージャ CLI、データベースインスタンスのバックアップとリストア
CCMS におけるデータベース管理、対話式ログバックアップのスケジューリング
自動ログバックアップを有効化して、REDO ログエントリを自動的にバックアップします。自動ログバックアップが有効になっている場合、データベースシステムによって、REDO ログエントリがバックアップファイルに自動的にバックアップされます。
ログセグメントが一杯になると、データベースによって、ログバックアップがトリガされます。ログセグメントのサイズは、共通データベースパラメータLOG_SEGMENT_SIZE を使用して設定します。
特に、大量のデータが変更され、そのため数多くのREDO ログエントリが想定されるデータベースインスタンスでは、自動ログバックアップの使用をお奨めします。
参照
データベースマネージャ GUI、自動ログバックアップの有効化と無効化
データベースマネージャ CLI、autolog_on
CCMS におけるデータベース管理、自動ログバックアップの有効化
ファイルタイプのデータキャリアへのログバックアップの場合、バックアップファイルを定期的にアーカイブする必要があります。バックアップファイルのアーカイブを参照してください。
参照:
データベース管理チュートリアル