新規データベースインスタンスは、さまざまな方法で登録することができます。
新規データベースインスタンスを最も簡単に登録するには、インストールマネージャを使用します。
一方、データベースマネージャ CLI プログラムを使用することもできます。データベースマネージャ CLI を使用すると、データベースパラメータファイルにシステムデフォルトを使用するか、または別のデータベースインスタンスからパラメータファイルをインポートすることによって、新規データベースインスタンスを登録することができます。
この例で説明する新規データベースインスタンスの登録方法では、パラメータファイルにシステムデフォルトを使用し、その後、各自の要件に応じて個々の値を調整します。データベースマネージャ CLI では、DBM コマンドの必要なシーケンスを順次実行することも、スクリプトを使用して実行することもできます。
次のセクションでは、DBM コマンドを連続して実行する方法について説明します。スクリプトを使用する場合は、スクリプトファイルの使用の説明に従ってください。
データベースインスタンスはローカルコンピュータに登録することも、オプション -nを指定してリモートコンピュータに登録することもできます。リモートコンピュータにデータベースインスタンスを登録するには、そのコンピュータにオペレーティングシステムユーザが設定されている必要があります。Microsoft Windows では、このユーザに "バッチジョブとしてログオン" 権限が求められます。ユーザにこの権限を割り当てる方法については、オペレーティングシステムの文書を参照してください。
前提条件について確認するには、データベースマネージャ CLIの db_create、param_put、param_addvolume、db_activate、load_systabの各セクションを参照してください。
参照:
インストールマニュアル、インストールマネージャの使用
データベースシステムのコンセプト、データベースインスタンスの登録および設定
DEMODB という名称のデータベースインスタンスをローカルコンピュータに新規登録します。
このデータベースインスタンスの最初の DBM ユーザとして、パスワードに DBM を指定してユーザ DBM を定義します。
データベースシステム管理者として、パスワードに SECRET を指定してユーザ DBADMIN を定義します。
データベースパラメータ SESSION_TIMEOUT、_UNICODE、CACHE_SIZE、_SERVERDB_FOR_SAP、MAXDATAVOLUMES、および MAXUSERTASKS の値を変更します。(注記: データベースパラメータ _UNICODE をデータベースインスタンスの登録後に変更することはできません。ユニコードを参照してください。)
タイプが FILE で 32768ページのデータボリューム DISKD0001と、タイプが FILE で 6400ページのログボリューム DISKL0001を作成します。
さらに、次の処理をシステムで実行します。
● データベースインスタンスの統計の自動更新
● 書込レベルの 90% (デフォルト値) 到達時におけるデータ領域の自動拡張
● システムテーブルのロード
● デモデータのロード
● ログ領域の上書モードの有効化
...
1. データベースマネージャCLI を呼び出して、新規データベースインスタンス DEMODBを登録し、ユーザ ID とパスワードに DBMを指定して最初の DBMユーザを定義します。
>dbmcli db_create DEMODB DBM,DBM
OK
代替コマンド行:
○ コンピュータにデータベースソフトウェアの複数のバージョンがインストールされている場合は、追加情報を入力する必要があります。オプション -R <dependent_path> を使用して、データベースインスタンスを登録するバージョンを指定します。
>dbmcli -R "C:\Program Files\SDB\7.6.00" db_create DEMODB DBM,DBM
2. データベースマネージャCLI をセッションモードで呼び出し、パスワードに DBMを指定してユーザ DBM としてログオンし、データベースインスタンス DEMODBに接続します。
>dbmcli -u DBM,DBM -d DEMODB
dbmcli on DEMODB>
3. パラメータセッションを開きます。
>param_startsession
OK
dbmcli on DEMODB>
4. データベースパラメータを初期化し、データベースタイプとしてOLTP (デフォルト値) を定義します。
>param_init
OK
dbmcli on DEMODB>
5. データベースパラメータ SESSION_TIMEOUT の値を 0 に変更します。
6. dbmcli on DEMODB>param_put SESSION_TIMEOUT 0
OK
7. データベースパラメータ _UNICODE の値を YES に変更します。
dbmcli on DEMODB>param_put _UNICODE YES
OK
8. データベースパラメータ _SERVERDB_FOR_SAP の値を 0 に変更します。
dbmcli on DEMODB>param_put _SERVERDB_FOR_SAP NO
OK
9. データベースパラメータ MAXDATAVOLUMES の値を 64 に変更します。
dbmcli on DEMODB>param_put MAXDATAVOLUMES 64
OK
10. データベースパラメータ MAXUSERTASKS の値を 10 に変更します。
dbmcli on DEMODB>param_put MAXUSERTASKS 10
OK
11. すべてのデータベースパラメータをチェックします。
dbmcli on DEMODB>param_checkall
OK
12. データベースパラメータファイルへの変更を確定します。
dbmcli on DEMODB>param_commitsession
OK
13. データボリュームとログボリュームを作成します。
a. 名称 DISKD0001、タイプ FILE、サイズ 32768ページを指定して、データボリューム番号1 を作成します。
dbmcli on DEMODB>param_addvolume 1 DATA DISKD0001 F 32768
OK
b. 名称 DISKL0001、タイプ FILE、サイズ 6400ページを指定して、ログボリューム番号 1を作成します。
dbmcli on DEMODB>param_addvolume 1 LOG DISKL0001 F 6400
OK
14. データベースインスタンスの操作状態を ADMIN に切り替えます。
dbmcli on DEMODB>db_admin
OK
15. 新規データベースインスタンスを初期化し、ユーザ ID に DBADMIN、パスワードに SECRET を指定してデータベースシステム管理者を登録します。
dbmcli on DEMODB>db_activate DBADMIN,SECRET
OK
16. システムテーブルをロードします。
dbmcli on DEMODB>load_systab
OK
0,OK:everything works fine
0,""c:\program files\sdb\maxdb1\bin\x_python" "c:\program files\sdb\maxdb1\env
\lsystab.py" -R "c:\program files\sdb\maxdb1" -d DEMODB -u dbadmin,*"
Removing obsolete objects
Installing Loader tables
...
...
==================================
Installation successfully finished
==================================
17. オプティマイザ統計の自動更新機能を有効化します。
dbmcli on DEMODB>auto_update_statistics ON
OK
18. データ領域の自動拡張機能を有効化します。
dbmcli on DEMODB>auto_extend ON
OK
19. デモデータをロードします。
dbmcli on DEMODB>load_tutorial
OK
0,OK:everything works fine
0,""c:\program files\sdb\maxdb1\bin\x_python" "c:\program files\sdb\maxdb1\env
\../demo/ltutorial.py" -R "c:\program files\sdb\maXdb1" -d DEMODB -u dbadmin,*"
HOTEL
==================================
Installation successfully finished
==================================
20. ログ領域の上書モードを有効化します。
dbmcli on DEMODB>db_execute SET LOG AUTO OVERWRITE ON
OK
データベースインスタンス DEMODB が登録されました。このデータベースインスタンスの操作状態は ONLINEです。現在、このデータベースインスタンスでは、ユーザ ID とパスワードに DBM を指定した最初の DBM ユーザと、ユーザ ID に DBADMIN、パスワードに SECRET を指定したデータベースシステム管理者のみが存在します。
ここで、ユーザ ID に OLEG、パスワードにMONDAY を指定して DBM ユーザを追加登録することをお奨めします。このユーザのデータを使用して、データベース管理チュートリアルのすべての例が作成されています (DBM ユーザの登録を参照)。
データベースインスタンス DEMODB での試行内容に応じて、次のいずれかの手順に従ってください。
● データベースユーザ、データベーススキーマ、およびデータベーステーブルを追加登録する場合は、データを入力して、SQL チュートリアルの説明に従ってSQL 文を追加実行します。
● DEMODB を使用してデータベースインスタンスの管理を実践する場合は、このデータベース管理チュートリアルの例を各自の環境に複製することができます。
DBM コマンドと DBM オプションの詳細な説明については、以下の文書を参照してください。
データベースマネージャ CLI、すべての DBM コマンドの概要、DBM オプション