元のインスタンスの現在のデータセット、または過去の特定の時点のデータセットを格納した待機インスタンスを起動することができます。
元のインスタンスの現在のデータセットを格納した待機インスタンスを起動するには、元のインスタンスを停止し、元のインスタンスで最終ログバックアップを実行して、そのログバックアップを待機インスタンスにインポートしてから待機インスタンスを起動します。
元のインスタンスの過去の特定時点におけるデータセットを格納した待機インスタンスを起動できるのは、現在まで待機インスタンスにインポートされたログバックアップが目的の時点以前のものである場合に限られます。
ログバックアップのインポート時に、どの時点までのログエントリをインポートするかを指定します。元のインスタンスから待機インスタンスにログバックアップを自動でインポートした場合は、この操作をここで中止します。その後、ログバックアップのインポートを再度開始し、どの時点までのログエントリをインポートするかを指定します。
ログエントリがインポートされ、次のデータキャリアを指定するように要求されます。このプロセスは、指定された時点に書き込まれたログエントリに到達するまで続きます。その時点に至るとログエントリのインポートが終了し、データベースインスタンスの操作状態が ONLINE に切り替えられます。
元のインスタンスで障害が発生し、最終ログバックアップを実行できなかった場合でも、元のインスタンスのログボリュームが損傷を受けていないときは、オペレーティングシステムコマンドを使用してログボリュームの内容を待機インスタンスのログボリュームにコピーすることができます。
前提条件について確認するには、データベースマネージャ CLIの recover_cancel、recover_start、recover_replaceを参照してください。
参照:
オペレーティングシステムコマンドによるログボリュームのコピー
データベースシステムのコンセプト、待機データベース
コンピュータ GENUAのデータベースインスタンス DEMODB の待機インスタンス TESTDB をローカルコンピュータに登録しました。スクリプトを使用して、DEMODB で作成されたログバックアップを指定した間隔で TESTDB に自動的にインポートします。
2006/02/02の 16:36:10に DEMODBのデータ領域でハードウェアエラーが発生しました。そのため、待機インスタンス TESTDB を 2006/02/02 の 16:36:00 の状態にリストアし、その状態で TESTDB を起動することに決めました。
次のセクションでは、出力の説明にボールド文字が使用され、コメントを表す番号記号 (#)が付いています。
...
1. 最初のステップは、この時点までに自動またはマニュアルのいずれでログバックアップを TESTDBにインポートしたかによって異なります。
○
元のインスタンスから待機インスタンス TESTDBにログバックアップを自動でインポートした場合は、この操作をここで中止します。
dbmcli on
TESTDB>recover_cancel
OK
Returncode 0
Date
Time
Server
Database
Kernel Version
Pages Transferred 0
Pages Left 0
Volumes
Medianame
Location
Errortext
Label
Is Consistent
First LOG Page
Last LOG Page
DB Stamp 1 Date
DB Stamp 1 Time
DB Stamp 2 Date
DB Stamp 2 Time
Page Count 0
Devices Used
Database ID
Max Used Data Page
----
dbmcli on TESTDB>
次に、TESTDB の操作状態を ADMIN に切り替えます。
dbmcli on TESTDB>db_admin
OK
○ DEMODBから TESTDBにログバックアップをマニュアルでインポートした場合は、データベースマネージャ CLI をセッションモードで呼び出して、パスワードに DBMを指定してユーザ DBM としてログオンし、待機インスタンス TESTDBに接続することができます。
>dbmcli -u DBM,DBM -d TESTDB
dbmcli on TESTDB>
2. データベースセッションを開きます。
dbmcli on TESTDB>db_connect
OK
3. 目的の時点までの失われたログバックアップのインポートを開始します。
dbmcli on TESTDB>recover_start LogSave LOG 009 UNTIL 20060202 163600
OK
Returncode -8020
# 指定されたデータキャリアがインポートされました。リターンコード -8020は、次のデータキャリアを指定することを求めています。
Date 20060203
Time 00134353
Server GENUA
Database DEMODB
Kernel Version Kernel 7.6.00 Build 016-123-109-428
Pages Transferred 1168
Pages Left 0
Volumes 1
Medianame LogBackupFile
Location \\GENUA\Documents and Settings\All Users\Application Data\sdb\data\wrk\DEMODB\Backups 2005\Data\logBackupFeb.009
Errortext
Label LOG_000000009
Is Consistent
First LOG Page 17187
Last LOG Page 18452
DB Stamp 1 Date 20060202
DB Stamp 1 Time 00093758
DB Stamp 2 Date 20060202
DB Stamp 2 Time 00093819
Page Count 1265
Devices Used 1
Database ID GENUA:DEMODB_20060125_165646
Max Used Data Page
--
dbmcli on TESTDB>recover_replace LogBackupFile "C:\Documents and Settings\All Users\Application Data\sdb\data\wrk\DEMODB\Backups 2005\Data\logBackupFeb" 010
OK
Returncode -8020
# 指定されたデータキャリアがインポートされました。リターンコード -8020は、次のデータキャリアを指定することを求めています。
Date 20060203
Time 00134353
Server GENUA
Database DEMODB
Kernel Version Kernel 7.6.00 Build 016-123-109-428
Pages Transferred 2032
Pages Left 0
Volumes 1
Medianame LogBackupFile
Location \\GENUA\\Documents and Settings\All Users\Application Data\sdb\data\wrk\DEMODB\Backups 2005\Data\logBackupFeb.010
Errortext
Label LOG_000000010
Is Consistent
First LOG Page 18453
Last LOG Page 20670
DB Stamp 1 Date 20060202
DB Stamp 1 Time 00163233
DB Stamp 2 Date 20060202
DB Stamp 2 Time 00163447
Page Count 2217
Devices Used 1
Database ID GENUA:DEMODB_20060125_165646
Max Used Data Page
---
dbmcli on TESTDB>recover_replace LogBackupFile "\\GENUA\Documents and Settings\All Users\Application Data\sdb\data\wrk\DEMODB\Backups 2005\Data\logBackupFeb" 011
OK
Returncode 0
# 指定されたデータキャリアがインポートされました。リターンコード 0は、指定された時点までに書き込まれたログエントリがすべてインポートされたことを示しています。
Date 20060203
Time 00134353
Server GENUA
Database DEMODB
Kernel Version Kernel 7.6.00 Build 016-123-109-428
Pages Transferred 1280
Pages Left 0
Volumes 1
Medianame LogBackupFile
Location \\GENUA\Documents and Settings\All Users\Application Data\sdb\data\wrk\DEMODB\Backups.011
Errortext
Label LOG_000000011
Is Consistent
First LOG Page 20671
Last LOG Page 23024
DB Stamp 1 Date 20060202
DB Stamp 1 Time 00163601
DB Stamp 2 Date 20060202
DB Stamp 2 Time 00163604
Page Count 2353
Devices Used 1
Database ID GENUA:DEMODB_20060125_165646
Max Used Data Page
---
dbmcli on TESTDB>
指定された時点までのログバックアップがインポートされ、その後、データベースインスタンスの操作状態が ONLINEに切り替えられました。
これで、待機インスタンスを有効なインスタンスとして操作することができます。