購買発注明細に対する納入許容範囲の設定
納入許容範囲によって、サプライヤが購買発注明細の要求数量を下回らせるか、または超過させることができる最大数量が表されます。過剰納入無制限は、特別な形式の過剰納入許容範囲です。需給連鎖コラボレーション (SAP SNC) の購買発注コラボレーションでは、次のことを目的として納入許容範囲が使用されます。
● 明細ステータスの設定
SAP SNC では、不足納入許容範囲に基づいて、購買発注明細の明細ステータスを一部出荷済または納入完了に設定することができます。
● アラートの生成
SAP SNC では、購買発注明細に対してサプライヤが納入した数量が明細の不足納入許容範囲または過剰納入許容範囲を逸脱した場合に、アラートを生成することができます。過剰納入無制限が許可されている場合、SAP SNC で過剰納入アラートは生成されません。
● ASN 数量のチェック
サプライヤが購買発注明細に対して ASN を登録すると、ASN 数量が過剰納入許容範囲を逸脱しているかどうかが特別な妥当性チェックよって判定されます。過剰納入無制限が許可されている場合、ASN 数量の制限はありません。標準システムでは、妥当性チェック PO_OVERDELIVERY が有効になっています。このチェックでは、購買発注明細の ASN 基準の契約数量が、この ASN 数量と比較されます。あるいは、購買発注明細の発注残数量が ASN 数量と比較される妥当性チェック PO_OVERDELIVERY_OPEN_QTY を使用することもできます。
● 要求数量と確認済数量の差異の検出
SAP SNC では、購買発注確認に対する納入許容範囲が自動承認プロセスで考慮されます。SAP SNC で確認が承認されるのは、明細の納入許容範囲が逸脱していない場合のみです。
SAP SNC では、納入許容範囲が整数値の率で表されます。SAP SNC で小数点以下桁数が表示されるようにするには、SAP ノート 893232 を参照してください。
SAP SNC では、以下に基づいてサプライヤ許容範囲が使用されます。
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1. 得意先が ReplenishmentOrderNotification を使用してそのバックエンドシステムから SAP SNC に送信した明細の購買発注に納入許容範囲が含まれる場合、SAP SNC ではそれらの納入許容範囲が使用されます。購買発注明細に納入許容範囲が含まれていない場合、SAP SNC では ReplenishmentOrderNotification のヘッダの納入許容範囲が使用されます。

SAP バックエンドシステムからの納入許容範囲の転送は、SAP ERP 6.0 以降の次の IDoc を使用して実行することができます。
● PORDCR1.PORDCR102
● ORDNTF.ORDINT01
ORDNTF.ORDINT01 IDoc が得意先の SAP バックエンドシステムに関連するのは、サービスパーツ管理シナリオの場合に限られます (サービスパーツ管理が有効になっている SAPERP)。この IDoc では過剰納入区分は転送されず、明細レベルの不足納入許容範囲と過剰納入許容範囲のみが転送されます (ヘッダレベルは対象外)。
2. 購買発注に納入許容範囲が含まれていない場合、SAP SNC では以下に基づいて購買発注明細に納入許容範囲が使用されます。
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○ 購買発注明細に契約が含まれている場合、SAP SNC でその契約の許容範囲が使用されます。
得意先はコアインタフェース (CIF) を使用し、契約をSAP バックエンドシステムからSAP SNC システムに転送することができます。
○ SAP SNC に契約が存在しない場合、または購買発注明細に契約が含まれていない場合、SAP SNC では購買情報の納入許容範囲が使用されます。
得意先は、購買情報も SAP バックエンドシステムから SAP SNC に転送することができます。
○ SAP SNC に購買情報が存在しない場合、SAP SNC ではカスタマロケーションのロケーションプロダクトマスタデータにある納入許容範囲が使用されます。

CIF を使用して、製品マスタの納入許容範囲を転送できるようにするには、SAP バックエンドシステムでカスタマ Exit CIFMAT01 を使用する必要があります。
契約または購買情報からの納入許容範囲の割当は、標準システムで有効化されている妥当性チェックPO_TOLERANCE_ASSIGN によって実行されます。妥当性チェック PO_CONTRACT_ASSIGN を使用すると、契約を購買発注明細に割り当てることができます。契約が存在しない場合は、購買情報を購買発注明細に割り当てることができます。