iPPE での繰返生産
このプロセスでは、統合生産マスタに基づいて APO で繰返生産を実行する方法について説明します。このプロセスを使用した APO での日程計画は、タクト基準計画として実行されます。APO での生産バックフラッシュのバックフラッシュデータを直接入力することもできます。その後、バックフラッシュデータは DI システムに送信されます。この手順は高速であるため、数多くの構成品目を持つ製品の計画に適しています。
この計画プロセスは、APO をディスクリート産業システムとともに使用する場合にのみ使用することができます。iPPE が DI システムおよび APO でのみサポートされているためです。
このプロセスは、選定可能製品が含まれる見込生産および受注繰返生産に使用することができます。
ロットの制限なしで同じ製造方式を使用して製品を大量に生産する場合、繰返生産の見込生産環境が存在します。ここでは、生産は受注を参照しないで実行されます。計画独立所要量は、DI システムの需要管理または APO の需要計画に登録されます。受注伝票は倉庫在庫から納入され、選択された計画方針に従い、計画独立所要量の数量が受注数量によって消費されます。計画は、これら 2 つの所要量 (受注数量および計画独立所要量) に基づきます。
このプロセスを使用して、たとえば自動車産業で一般的なように、複数のバリアントおよび大量のオーダーを持つ製品を計画することもできます。ここでは、生産は受注を直接参照して実行されます。つまり、受注が計画の基盤として使用されます。得意先から発注された製品および重要な構成品目の計画手配は、それを必要とする受注の勘定に割り当てられます。

このプロセスの使用には、製品に対してプル一覧、イベント起動型かんばん、またはかんばん(計画手配あり) を使用できないという欠点があります。
DI システムおよび APO で、2 つのシステム間のインタフェースを設定するための基盤の登録に必要な技術設定を更新しておく必要があります。個々のステップは、文書
システムランドスケープの設定チェックリストに記載されています。詳細については、文書
APO
と R/3
の統合を参照してください。
以下の図は、APO および DI システムを使用した選定可能製品および非選定可能製品の繰返生産の計画プロセスを示しています。

...
1. 必要なすべてのマスタデータを DI システムで更新し、このデータを APO コアインタフェースを使用して APO に転送します。APO への iPPE データの転送も参照してください。
2.
SAP APO で、iPPE データから生産データ構造 (PDS) を生成します。この生産データ構造は、SAP
APO
で計画の基盤として使用されます。参照:
iPPE
データからの生産データ構造 (PDS)
の生成。
3. 稼動日カレンダ、伝播範囲など、PP/DS 設定を APO で更新します。
4. 登録する計画が 2 つのシステム間で整合性のあるものになるように、必要なトランザクションデータ (受注、計画独立所要量、在庫など) を転送します。
5. 計画対象の製品について、APO で計画実行を実行します。
選定可能製品
選定可能製品を計画するために、モデルミックス計画で計画実行を実行することができます。モデルミックス計画では、設定に応じて、受注ごとにオーダー数量 1 の APO 計画手配が登録されます。モデルミックス計画では、計画手配は最終組立が実行されるラインリソースに割り当てられ、オーダー順序は計画手配の開始日と終了日の指定によって決定されます。計画する製品に対して、計画マトリクスを使用して展開が実行されることを設定した場合は、この APO 計画手配には構成品目一覧は含まれていません。最後のステップで、モデルミックス計画の計画実行によって製品バリアント構成が展開され、計画マトリクスが登録されます。これで、計画マトリクスによって、必須構成品目の所要量と日付が決定されます。このプロセスは高速です。数分で、数千のオーダーを処理することができます。
上記の手順の代わりに、計画する製品の iPPE データの個別展開を設定する場合は、モデルミックス計画の後で iPPE の個別展開を実行することもできます。または、モデルミックス計画を使用しないで、生産計画で計画実行を実行します。この計画実行で、計画する製品に対して APO 計画手配が登録され、計画する製品の iPPE の個別展開を設定する場合は、iPPE の個別展開が実行されて最終製品に必要な構成品目が決定されます。
非選定可能製品
非選定可能製品を計画するには、REM ヒューリスティックなどを使用して計画実行を実行します。繰返生産専用に 2 つのヒューリスティックが提供されています。どちらのヒューリスティックでも、期間ごとにリソースの残存能力を考慮しながら、既存の所要量に対して APO 計画手配が登録されます。次のステップで、計画実行によって iPPE データの個別展開が実行され、必要な構成品目の所要量と日付が決定されます。
必要に応じて、下位レベルの BOM レベルを計画するために、ヒューリスティックをさらに定義することもできます。これは、1 つの計画実行ですべての BOM レベルを計画できることを意味します。ただし、計画は APO で追加計画するように定義した構成品目に対してのみ実行されます。この場合、APO では、従属所要量に対して適切な計画手配も登録されます。この計画ステップは、ステップ 7 で説明するように、別の計画実行で実行することもできます。
6. 計画結果を評価します。
短期計画期間では、順序計画を使用してモデルミックス計画の計画結果を評価することができます (選定可能製品の場合)。順序計画では、差し立てられた計画手配の順序を照会および変更することができます。製品計画テーブルを使用することもできます。非選定可能製品の計画結果を評価するには、製品計画テーブルまたは製品ビューを使用します。
7. 重要性の低い構成品目 (B 部品および C 部品) は、APO ではこれ以上計画しないで DI システムで計画します。これらの部品を計画するときは、このシステムの計画機能以外の計画機能は通常は必要ありません。手順は以下のとおりです。
...
a. これらの構成品目の計画ファイルエントリは、DI システムに自動的に転送されます。
b. これらの構成品目に対して、DI システムで MRP を実行します。MRP により、APO の構成品目の従属所要量がリモートファンクションコール (RCF) を使用して転送されます。
c. MRP 一覧または在庫/所要量一覧を使用して、MRP の結果を評価します。
d. 構成品目は DI システムで生産/調達されます。これは、APO で登録された計画手配または購買依頼を変換し、従属所要量の充足、必要に応じて、バックフラッシュの実行、入庫および出庫の転記などを行うことを意味します。
8. 重要な内製または外部調達の構成品目 (A 部品) の計画を APO で続行します。自動車産業のエンジンなどがあります。
...
a. これらの構成品目に対して、APO で計画実行を実行します。計画実行によって APO 計画手配が登録され、APO で決定された従属所要量が充足されます。計画実行では、内製の構成品目に対して iPPE データの個別展開が実行され、下位レベルの構成品目の従属所要量が決定されます。
b. 最終製品および APO で計画を続行した構成品目の計画結果を評価し、必要に応じて、APO で登録された調達要素を処理します。そのために、製品計画テーブルまたは製品ビューなどを使用することができます。
c. これで、構成品目の APO 計画手配を、それらの構成品目が生産/調達される (変換、バックフラッシュなど) DI システムに転送することができます。
または
d. 協同調達を使用して外部調達される構成品目の APO 計画手配または APO 購買所要量を APO で直接処理し、購買発注に変換することができます。協同調達によって、納入日程などを使用する場合に、供給元の決定がサポートされます。
9.
製品計画テーブルおよび順序付け (選定可能製品の場合のみ) を使用して、APO で最終製品の生産 (最終組立) を計画および管理します。APO
で生産バックフラッシュも登録します。バックフラッシュデータは DI
システムに転送されます。ここで、最終製品の入庫および同時に構成品目の出庫が自動的に転記されます
(バックフラッシュ)。ただし、出庫を累計し、後で転記することもできます。更新された構成品目在庫レベルは、DI
システムから
APO
に転送されます。同時に、従属所要量が
APO
で更新されます。つまり、構成品目所要量が削減されます。参照:
生産バックフラッシュ。