PP/DS
生産データ構造の比較
この機能を使用すると、R/3 のマスタデータを基に SAP APO で生成されたPP/DS 生産データ構造(PDS) とこのマスタデータを比較することができます。
これにより、R/3 のマスタデータが SAP APO に正しく転送されたかどうかを確認することができます。
このレポート (/SAPAPO/CURTO_ORDER_EXPLODE) を使用して、簡易比較または詳細比較を実行し、マスタデータを再び転送します。
...
1. 変更日付の比較
この簡易比較を使用すると、BOM、作業手順、マスタレシピ、および製造バージョンの最終変更日付に基づいて、R/3 のマスタデータまたはその変更がすでに SAP APO に転送されているかどうかを確認することができます。
比較では、R/3 のマスタデータが最後に変更された日付のみが考慮されます。SAP R/3 の最終変更日付が、SAP APO で PP/DS 生産データ構造が生成された時間と比較されます。
2. 展開結果の比較
この比較を使用すると、展開結果に基づいたマスタデータの詳細なチェックを実行することができます。この比較を実行するために最初の比較を実行しておく必要はありません。
この比較では、R/3 製造指図 (製造指図およびプロセス指図) の展開結果についてシミュレーションが行われ、SAP APO でシミュレーションが行われた PDS の展開結果と比較されます。
製造指図の作業、フェーズ、インプット製品およびアウトプット製品、ならびに活動関係のみが比較されます。
3. マスタデータの再転送
差異のあるマスタデータについて、SAP R/3 から SAP APO への PDS の自動再転送をバックグラウンドで実行することができます。
以下のシステムおよびリリースが必要です。
● SAP SCM 4.1
● PI 2004.1
必要なマスタデータ
このレポートでは、APO 内の関連するデータ(作業手順、マスタレシピ、製造バージョン、作業区、構成品目) と有効な統合モデルの項目のみが比較されます。
このため、以下のステップが必要です。
...
1. 製造指図またはプロセス指図の登録に必要なマスタデータを、SAP R/3 に入力します。
○ 品目
○ 製造バージョン
○ 作業区または?}スタレシピ
○ BOM
2. PDS に必要なマスタデータ(品目、プラント、作業区、製造バージョン) を使用して、統合モデルを登録および有効化します。
PP/DS 生産データ構造の初期転送および変更転送の詳細については、
PP/DS 生産データ構造の統合を参照してください。
品目マスタの必須設定
展開結果の比較中は SAP R/3 に一時指図が登録されるため、品目マスタ (MRP 1 ビュー、作業計画) で製造計画プロファイル、製造計画担当、または MRP グループを設定しておく必要があります。この情報は、製造指図の指図タイプ (製造指図またはプロセス指図) を決定するために使用されます。この情報は製造指図展開に必要です。
カスタマ Exit または BAdI を使用して展開データを変更すると、SAP R/3 の展開結果と SAP APO の展開結果が正しく比較できなくなります。
以下のカスタマ Exit および BAdI のパラメータを使用すると、変更を比較機能の対象にするかどうかを制御することができます。
以下の拡張は指図展開時に実行されます。
...
● SAP R/3:
R/3 製造指図の展開中、以下のカスタマ Exit が拡張 CIFORD02 (カスタマ固有指図項目の転送) で呼び出されます。
■ EXIT_SAPLCOVA_001
■ EXIT_SAPLCORD_004
● SAP APO:
PDS の展開中、BAdI /SAPAPO/CULLRTOEXPL (拡張: PP/DS 生産データ構造の展開) が呼び出されます。

パラメータ IV_ORDERTRIGGER (= 'EC') によって、当該の汎用モジュールは比較機能から呼び出されることが表されます。
すなわち、パラメータが 'EC' の場合は比較で各自のモディフィケーションがスキップされるように、プログラムを作成することができます。
このレポートには、以下の機能があります。
● 変更日付の比較
R/3 最終変更日付と PP/DS PDS 生成日付との比較
● 展開結果の比較
APO と R/3 での展開結果比較
● マスタデータの再転送
バックグラウンドでの PP/DS 生産データ構造の自動再転送
このレポートはダイアログモードまたはバックグラウンドモードで実行できます。
実行時間が長くならないよう、R/3 のパートナシステム、製品およびロケーションを入力する必要があります。
R/3 最終変更日付と PP/DS PDS 生成日付との比較を選択すると、日単位の簡易比較が実行されます。
すなわち、PDS が生成された日付 (生成日付) が、作業手順、BOM、製造バージョン、およびマスタレシピの最終変更日付 (SAP R/3 の変更日付) と、UTC タイムゾーンで比較されます。

SAPR/3 におけるマスタデータの最終変更日付が SAP APO における PDS の生成日付よりも後の日付の場合は、差異またはデータ不整合性と見なされます。
R/3 の変更日付と APO の生成日付が同じ場合、比較は実行されません。一方で、展開結果にはマスタデータの最終変更日付に関係なく常にチェックが行われます。
システム間で遅延の可能性があるため、時刻は比較されません。
テーブル CIF_PPM_CHANGED の R/3 変更ポインタの日付のみが PDS の生成日付と比較されるため、この比較のパフォーマンスは詳細比較よりも高くなります。
このレポートによって通知されるのは、選択した製品の数、および差異のあるマスタデータが検出された製品の数です。
結果は、以下のとおりです。
● 差異のあるマスタデータが検出された場合
このような製品は、結果一覧内に
(差異あり) のステータスが付いて表示されます。
以下のいずれかを選択できます。
○
再転送
PDS が再び転送されます。
○
新規比較
新規比較は、再転送機能の後に実行することができます。
○
ログ照会
成功および失敗した PDS の新規転送について、ログを照会することができます。
ログでの表示順序は、転送されていない不正確な製品、転送された不正確な製品、および転送された正確な製品となります。
● 差異のあるマスタデータが検出されなかった場合
有効な統合モデルに製品が含まれている、あるいは製造バージョンがないなどの理由で、比較するデータがない場合は、アプリケーションログに直接ジャンプします。アプリケーションログを終了する際、アプリケーションログを保存するかどうかを尋ねるダイアログボックスが表示されます。
差異のある製品を選択し、
再転送を選択すると、R/3
機能の生産データ構造の転送と同じ方法で PDS
が
(同期的に)
再び転送されます。
再転送中は、有効な統合モデルに作業区や構成品目などのマスタデータが含まれているかどうか、すなわち、それらのデータが APO に関連しているかどうかがチェックされます。
既存の PDS は上書きされます。
●
正しく転送された製品にはステータス
が設定されます。
このレポートでは、PDS の生成日付が本日の日付に変更され、正確な再転送数が表示されます。
正しく転送された製品を表示するには、ログを呼び出してください。
●
間違って転送された製品にはステータス
が設定されます。
間違って転送された製品については、ログを呼び出してください。
ログには、差異のあるマスタデータを含む製品の詳細情報が表示されます。
たとえば、BOM で作業区が変更され、有効な統合モデルにその新しい作業区が含まれていない場合、利用可能なリソースがないというメッセージが表示されます。比較を再実行する前に、作業区を SAP APO に転送する必要があります。
このメッセージはアプリケーションログ (APO 管理 → 統合 → モニタ → アプリケーションログ) にも保存されます。
ユーザは、オブジェクト CIF およびサブオブジェクト IPRT で関連するメッセージを選択できます。
アプリケーションログを参照してください。

再転送機能を 2
回以上実行する場合は、ステータスが
(差異あり)
の製品のみが対象となります。
新規転送が失敗した製品は必ずログに追加されるため、前回の新規転送のログが上書きされることはありません。
新規転送の後で
新規比較を選択すると、製品が選択され、選択基準に従って比較されます。
●
ステータスが
の製品は表示されなくなっています。
●
のステータスとなっている製品は、エラーが取り除かれると、
のステータスで表示されます。
APO とR/3 での展開結果比較を選択している場合、PDS の有効期間が展開日と指図数量に基づいてチェックされます。
すなわち、R/3 製造指図の展開に関するシミュレーション結果が、PDS の展開に関するシミュレーション結果と比較されます。
比較のため、SAP APO の選択データを基にして SAP R/3 で一時的な製造指図またはプロセス指図が生成されます。

SAPR/3
SAPR/3 で製造指図が登録または変更されると、選択された日付の BOM および作業手順が展開されます。(展開日は BOM と作業手順が決定される日付です。)
展開日は、製造バージョンの有効期間の範囲内である必要があります。
SAP APO
内製の入庫要素 (計画手配または製造指図) に関する PDS の展開日は、計画手配または製造指図の開始日付と一致します。たとえば、最初の活動の開始日を展開日にすることができます。
R/3 の製造指図の展開に必要となる以下の基準も、入力する必要があります。
● インターバル
● 製造指図数量
● 展開日

R/3 と APO の展開結果を比較する際に大量の展開結果の比較を試みると、パフォーマンス上の問題が発生する場合があります。たとえば、大きな日付範囲を入力すると同時に 1 日のインターバルを指定する場合などです。
必要に応じて、以下を行うことができます。
● 作業時間帯および構成品目の許容範囲をパーセントで指定します。
● バックグラウンド処理用に自動再転送を選択します。
差異が検出されたマスタデータの一覧が表示されます。一覧には、製品、ロケーション、製造バージョン、ステータスおよび展開日が表示されます。
差異のあるマスタデータは、結果一覧内に
(差異あり)
のステータスが付いて表示されます。
以下のいずれかを選択できます。
●
再転送
PDS が再び転送されます。
再転送を参照してください。
●
新規比較
新規比較は、再転送機能の後で実行してください。
●
ログ照会
成功および失敗した PDS の新規転送について、ログを照会することができます。
たとえば、展開日に製造バージョンがない、または SAP R/3 に有効な製造バージョンがないなどの理由で製品について比較が実行されなかった場合に、メッセージが表示されます。
再転送を参照してください。
●
比較照会
差異のあるマスタデータを選択し、
比較照会を選択すると、差異のあるデータの詳細概要が表示されます。
作業、フェーズ、インプット製品およびアウトプット製品、ならびに関係などからなる APO および R/3 の展開結果が、ツリーに表示されます。
のステータスは、比較機能によって差異のあるデータが検出された箇所を示します。これにより、作業は
SAP R/3
で削除されたために
SAP
APO
に登録されていないのかどうか、または、SAP
APO
での活動期間が計算された許容範囲を超えていないかどうかなどを確認することができます。
その他の比較の詳細を照会するには、
または
を選択します。
両方の比較のバックグラウンド処理について、比較中に差異のあるデータが検出された場合は、生産データ構造が再び転送されるように定義することができます。
以下のいずれかを選択できます。
● 自動再転送
異なる PP/DS 生産データ構造の自動再転送を選択すると、生産データ構造がバックグラウンドで SAP APO に自動的に転送されます。
成功および失敗した新規転送についてのメッセージと正常終了メッセージに関するメッセージのアプリケーションログには、PDS 比較に関する以下のメッセージが表示されます。
● 再転送不可
自動再転送を使用しない場合は、再転送は実行されません。差異のある生産データ構造がその製品、ロケーション、および製造バージョンとともにアプリケーションログに記録されます。
APO 管理 → 統合 → モニタ → アプリケーションログを?I択します。
PP/DS PDS 比較に関するメッセージは、オブジェクト CIF、サブオブジェクト IPRT、トランザクション/SAPAPO/RTO_ORD_COMP および自分のユーザ名を使用して選択することができます。
また、バックグラウンドジョブの
ジョブログに、アプリケーションログの確認を示唆するメッセージが表示されます。(ツール
→ CCMS
→
ジョブ)
このメッセージをダブルクリックすることで、テキスト (長) が表示され、アプリケーションログにジャンプすることができます。
マスタデータ → 生産データ構造 (PDS) → PP/DS 生産データ構造の比較を選択するか、または APO 管理 → 統合 → マスタデータの比較 → PP/DS 生産データ構造の比較 (/SAPAPO/RTO_ORD_COMP) を選択します。
展開結果の比較中のシステム動作以下のセクションでは、比較前に実行されるチェック、および展開結果の比較の一環として実行されるステップが説明されます。
SAP R/3 における展開比較のシミュレーションを製造指図に対して行う前に、以下についてチェックが行われます。
● ヘッダ品目が有効な PDS 統合モデルに含まれているかどうか
● ヘッダ品目が存在するか、またはヘッダ品目に削除フラグが設定されているかどうか
● 製造バージョンがロックまたは削除されていないかどうか
● 入力された展開日が製造バージョンの有効開始日と有効終了日の範囲内であるかどうか
● 展開数量が製造バージョンの開始ロットと最大ロットの範囲内であるかどうか

R/3 の作業区 (資源) が APO に関連しない (有効な統合モデルにない) 場合は、このような資源に対する R/3 の作業が比較時にフィルタリングされます。比較は引き続き実行されますが、作業は R/3 の展開結果には表示されません。APO の展開結果に対応する作業がない場合、これらの作業は差異ありとしてマークされます。
R/3 の構成品目 (インプット製品) が APO に関連しない場合は、これらもフィルタリングされます。
これらの条件が満たされている場合は、比較が実行されます。
以下のステップが実行されます。
...
1. シミュレーションが行われた製造指図が、SAP R/3 で登録されます。
入力した基準が製造指図展開に及ぼす影響:
○ 展開日 (開始 - 終了)
展開のシミュレーションを行う日付を入力することができます。
以下が行われます。
■ 展開日における製造バージョンの有効性がチェックされます。
展開日が製造バージョンの有効期間の範囲内であるかどうか、すなわち、製造バージョンが指図登録時に有効かどうかがチェックされます。
製造バージョンが削除、変更またはロックされているために、有効な製造バージョンが検出されない場合、比較は実行されません。
■ 展開日 (開始) を使用して BOM 展開が実行されます。
したがって、展開時に有効な構成品目のみが比較されます。
○ インターバル
入力された日数または週数を使用して、マスタデータを展開および比較する追加のキー日付が計算されます。

たとえば、11 月に複数の時点で展開結果を比較するには、展開日に 01.11. から 30.11. を入力し、インターバル 1 および週を選択することができます。
これにより、毎週 (7 日ごと) の展開結果についてシミュレーションが行われるため、4 回の比較が実行されることになります。
○ 指図数量
指図展開では、指図数量が必ず使用されます。製品の固定ロットサイズ使用を選択する場合に固定ロットサイズがゼロより大きいとき (R/3 品目マスタ、MRP 1 ビュー)、その固定ロットサイズが指図数量として使用されます。
○ 作業期間の許容範囲 (%)
作業期間は、日程計画計算式を使用して作業手順 (作業区) を基に計算されます。
丸め差異を解決するため、作業期間の許容範囲 (%) を指定することができます。許容範囲は、R/3 の作業期間に基づいて常に計算されます。
作業期間の差異が計算された許容範囲を超える場合、期間は差異があると見なされます。

SAPR/3 の作業期間: 120 分
10% の許容範囲 12 分
SAP APO の作業期間: 130 分
作業期間の差異 130 - 120 = 10 分 → OK
○ 構成品目の許容範囲 (%)
構成品目数量は、品目数量計算を使用して製造指図で計算できます。
丸め差異を解決するため、インプット製品 (構成品目) およびアウトプット製?i (連産品、副産物) の許容範囲 (%) を指定することができます。許容範囲は、R/3 の数量に基づいて常に計算されます。
この比較では、たとえば、BOM の数量が変更されたかどうかがチェックされます。
APO の数量と R/3 の数量間の差異が許容範囲を超える場合、数量は不正確としてマークされます。

SAPR/3 の構成品目数量 42 個
10% の許容範囲 4.2 個
SAP APO の数量 50 個
数量差異 50 - 42 = 8 個 → OK ではない
2. シミュレーションが行われた製造指図 (SAP R/3) およびシミュレーションが行われた PDS 展開 (SAP APO) に基づく展開結果の比較
比較されるマスタデータ
製造指図の作業、フェーズ、インプット製品およびアウトプット製品、ならびに活動関係のみが比較されます。
作業およびフェーズ
○ 作業数またはフェーズ数
○ 作業番号、フェーズ番号
○ 期間
○ 動的段取 (段取グループ、段取キー) の期間は SAP APO で計算されるため、これらは比較されません。
○ 作業数量
○ 作業不良 (%)
○ 活動数 (段取時間、処理時間、片付時間)
○ 資源/リソースの数
○ SAP R/3 で変更された資源
○ 資源/リソースの能力数
○ SAP R/3 で変更された資源の能力数
インプット製品およびアウトプット製品
○ 構成品目数
○ 変更されたインプット構成品目
○ 構成品目数量
活動関係
○ 活動関係数
○ プロセス関連最小インターバル
○ 計画関連最小インターバル
○ 最大間隔
○ 関係の日程計画 (空白 = 未計画、1 = 先行処理で計画済、2 = 後続処理で計画済)

以下の制約が適用されます。
■ 副作業と副資源/副リソースは比較されません。
■ インプット製品およびアウトプット製品の選定は、比較されません。
■ 段取グループと段取キーは比較されません。
3. 差異一覧が出力されます。
参照: