ブール論理とは何か
ブール論理とは、英国の数学者ジョージ・ブールにちなんで名付けられた数理理論のことで、代数ルールまたは命令の作成に使われます。これらの命令は、
FI-SL アプリケーションコンポーネントに取り込まれるデータの分析、選択および処理に使われます。FI-SL
アプリケーションコンポーネントでは、次の目的でブール論理を使います。
FI-SL
アプリケーションコンポーネントでは、まずブール論理式を使ってデータが分析され、次にデータを使うべきかどうかが判断されます。ブール論理式が真の場合はデータが使われ、偽の場合はデータが使われません。ブール論理の使用
ブール論理は、次の
FI-SL モジュールで使われます。これらのプログラムでブール論理を使うには、命令を登録します。詳細は、次の
「ブール論理式」 のセクションを参照してください。元帳選択、レポートライタ、ロールアップ、チェック、および代入におけるブール論理の使用についての詳細は、
FI-SL におけるブール論理式の使用を参照してください。ブール論理式
ブール論理式は、結果が真か偽で表される言語型論理構造になっています。次に命令の例を示します。
演算子を使うと、命令を連結することができます。 演算子により、論理命令が連結され、それらをまとめて処理する方法が定義されます。
( 組み合わせ命令は、連結された2つ以上の論理命令のことです。 )ブール論理では、次の演算子を使います。
AND (
1. |
ロサンジェルスはカリフォルニア州の都市である AND (2 + 2 = 4) ( 真 ) |
2. |
(2 + 2 = 4) AND (10 < 6) ( 偽 ) |
3. |
(10 < 6) AND (2 + 2 = 4) ( 偽 ) |
4. |
(2 + 3 = 4) AND (10 < 6) ( 偽 ) |
OR ( 論理和 ) 演算子を使う場合、組み合わせ命令が真となるには論理式の少なくとも 1 つが真でなければなりません。
1. |
ロサンジェルスはカリフォルニアの都市である OR (2 + 2 = 4) ( 真 ) |
2. |
ロサンジェルスはカリフォルニアの都市である OR (10 < 6) ( 真 ) |
3. |
(10 < 6) OR ロサンジェルスはカリフォルニアの都市である ( 真 ) |
4. |
ロサンジェルスはテキサスの都市である OR (10 < 6) ( 偽 ) |
NOT ( 否定 ) 演算子を使う場合、命令が真となるには NOT ( 否定 ) 演算子に続く命令が偽でなければなりません。
1. |
NOT (2 + 2 = 4) ( 偽 ) |
2. |
NOT (10 < 6) ( 真 ) |
NAND (NOT AND) 演算子を使う場合、組み合わせ命令が真となるには少なくとも 1 つの命令が偽でなければなりません。この演算子は、 NOT(A AND B) と同様に使用されます。
1. |
(2 + 2 = 4) NAND ロサンジェルスはカリフォルニア州に位置する。 ( 偽 ) |
2. |
(2 + 2 = 4) NAND (10 < 6) ( 真 ) |
3. |
(10 < 6) NAND (2 + 2 = 4) ( 真 ) |
4. |
(2 + 3 = 4) NAND (10 < 6) ( 真 ) |
この演算子を使う場合、組み合わせ命令が真となるには組み合わされた命令の両方が偽でなければなりません。
1. |
(2 + 2 = 4) NOR ロサンジェルスはカリフォルニアの都市である ( 偽 ) |
2. |
(2 + 2 = 4) NOR (1 = 2) ( 偽 ) |
3. |
(2 + 1 = 4) NOR (2 + 2 = 4) ( 偽 ) |
4. |
(2 + 1 = 4) NOR (10 < 6) ( 真 ) |
この演算子を使う場合、
2 つの命令が互いに依存して、命令の真理値を決定します ( ” IF A THEN B ” ) 。ただし、 2 番目の命令が真、または 1 番目の命令が偽の場合、組み合わせ真理値は真となります。1. |
(1 = 1) --> (2 + 4 = 6) ( 真 ) |
2. |
(2 + 2 = 4) --> (10 < 6) ( 偽 ) |
3. |
(10 < 6) --> (2 + 2 = 4) ( 真 ) |
4. |
(10 < 6) --> (2 + 3 = 4) ( 真 ) |
この演算子を使う場合、組み合わせ命令が真となるためには、両方の命令が真であるか、または両方の命令が偽でなければなりません。
1. |
(1 = 1) <-> (2 + 2 = 4) ( 真 ) |
2. |
(1 = 1) <-> (10 < 6) ( 偽 ) |
3. |
(10 < 6) <-> (1 = 1) ( 偽 ) |
4. |
(2 + 3 = 4) <-> (10 < 6) ( 真 ) |
ブール論理式の登録についての詳細は、
FI-SL システムへのブール論理式の登録を参照してください。真理値表
命令は他の命令と連結でき、また論理式が不明確である場合があるため、ブール論理では組み合わせ命令の真偽を決定するのに真理値表を使います。
真理値表によって、真理値
( 真または偽 ) が組み合わせ命令の各命令に割り当てられます。いったん真理値が各命令に割り当てられると、命令を連結する演算子によって、組み合わせ命令の真理値が決まります。次に、真理値表の例を示します。
命令 A |
命令 B |
A [ 演算子 ] B |
真 |
真 |
X |
真 |
偽 |
X |
偽 |
真 |
X |
偽 |
偽 |
X |
この真理値表は、命令
A と命令 B に考えられる真と偽の組合せをすべて示したものです。組み合わせ命令の真理値 (x) は、真理値表で使われる演算子によって決められます。各ブール論理演算子の真理値表は、 真理値表における論理演算子の使用に記載されています。