ロールアップ元帳とは何か 

複数の元帳を使用するという概念では、元帳ごとに、さまざまな詳細レベルおよび次元を使用することが可能です。高レベルのレポートでは、元帳が細かすぎたり、他の次元で集計する必要のある次元を含む場合があります。 FI-SL システムのロールアップ元帳を使用することにより、レポートおよび照会に要する実行時間を短縮することができます。

レポートを 1 度しか実行しない場合には、レポートライタでデータを集計する方が効率的です。ただし、レポート用にデータを 2 度以上選択する必要がある場合は、レポートデータをロールアップ元帳に集計してください。

ロールアップ元帳とは、 1 つ以上の元帳 ( ソース元帳 ) からの情報を 1 つの元帳に集計したものです。

下の図は、データが複数のソース元帳から 1 つのロールアップ元帳に集計される様子を示しています。

 

 

FI-SL システムでレポートを登録する際、レポートライタによりレポート用のデータを含む元帳を読み込む必要があります。元帳が詳細にわたり多くのレコードを含む場合、システムのパフォーマンスはかなり低下します。パフォーマンスを向上させるには、1つ以上の元帳からのデータを集計し圧縮したロールアップ元帳を 1 つ登録します。

ソース元帳から登録 100 件の勘定および各勘定に 100 件の原価センタが含まれるレポートを登録する場合、最低 10,000 個のレコード (100 件の勘定× 100 件の原価センタ ) を読み込む必要があります。読み込むレコード数が多いため、このレポートは実行に長時間を要します。この問題を解決するには、ソース元帳から勘定データを取り出し、 100 レコード ( 各勘定コードにつき 1 レコード ) だけを含むロールアップ元帳に集計します。ロールアップにより、各勘定コードの原価センタ値が 1 レコードに集計されます。

下の図は、 100 件の勘定と 100 件の原価センタ (10,000 レコード ) を含むソース元帳から、 100 件の勘定 (100 レコード ) だけを含むロールアップ元帳に集計される様子を示しています。

 

 

ロールアップ元帳へのデータの集計には、ロールアップを使用します。ロールアップは、データがどのようにロールアップ元帳にロールアップされるかの定義であり、次のエレメントから構成されます。

ロールアップヘッダには、ロールアップテキスト、ロールアップ権限、センダおよびレシーバの各テーブル、リセットセット、ロールアップヘッダセット、およびロールアップ実行のためのデフォルト値が含まれます。

ロールアップ順序は、ロールアップアクティビティの基本単位であり、これを使って複数のロールアップアクションを1つのロールアップの中で実行することができます。順序を使用すると、異なる一連のロールアップを実行したいときに複数のロールアップを登録および実行する必要がありません。

ロールアップ順序には、順序セット、データ選択のための選択条件、項目グループコード、および元帳などの情報が含まれます。

ロールアップを登録する前に、まずロールアップ元帳として元帳を定義する必要があります。 特別目的元帳のためのカスタマイジング機能を使って、元帳定義でロールアップ許可のフラグを有効化し、元帳にデータをロールアップできるかどうかを定義します。元帳定義に関する詳細は、特別目的元帳についての導入ガイド (IMG) 元帳の更新のステップを参照してください。

データは FI-SL から連結 (FI-LC) にロールアップすることもできます。データを FI-LC にロールアップするには、データのロール先となる会社にデータ転送フラグ O(FI-SL からのロールアップ。このフラグは FI-LC カスタマイジングで設定します ) が必要です。カスタマイジングでのこれらパラメータの設定に関する詳細は、 特別目的元帳のための導入ガイドおよび FI-LC 導入ガイドを参照してください。