配分ルール 

配分を実行する際に、さまざまなルールを使うことができます。配分タイプと配分ルールにより、金額の配分方法を設定します。

センダ配分ルール

センダ値のデータを配分するには、次のルールを使用することができます。

センダに関してデータベースレコードに保存されている転記済残高 ( 金額 ) がレシーバに転記されます。

センダの残高とは無関係に、センダから特定の固定金額が配分されます。

固定金額を使ったデータの配分では、

配分周期の実行のたびに、センダから同じ金額が配分されます。配分金額は、センダの現在の残高には影響されません。

固定率 ( 価格 ) は、レシーバトレースファクタの単位ごとに設定されます。

固定率を使用してデータを配分する場合

原価センタ CANTEEN で、原価センタ PERSON 1 PERSON 2 、および PERSON 3 へ固定金額が配分されます。レシーバトレースファクタは、統計キー数値 ’従業員’ です。

原価センタ PERSON 1 PERSON 2 、および PERSON 3 の従業員数は、それぞれ 50 100 および 150 です ( 合計 = 300)

センダ配分ルールは、1人の従業員につき 5.50USD 固定率です。

配分は以下のように行われます。

センダ : CANTEEN : 5.50 USD/ 従業員 * 300 ( 従業員合計 ) = -1650 USD

レシーバ : PERSON 1: 5.50 USD/ 従業員 * 50 ( 従業員合計 ) = +275 USD

レシーバ : PERSON 2: 5.50 USD/ 従業員 * 100 ( 従業員合計 ) = +550 USD

レシーバ : PERSON 3: 5.50 USD/ 従業員 * 150 ( 従業員合計 ) = +825 USD

センダの配分ルールを定義する際、センダ残高の何パーセントを配分金額で貸方記帳するかも設定することができます。

センダの残高が 50,000 で、配分される固定金額が 20,000 だとします。センダに貸方記帳するパーセント率を、 50% と定義します。金額 10,000 がセンダに貸方記帳され、センダの残高は 40,000 となります。

センタ残高のパーセント率は通常、センダ配分ルール 1( 転記済残高 ) を使うときにだけ定義します。

データはセンダ管理を使って配分することもできます。センダ管理を使って、センダ管理値の残高が別のセンダへ書き込まれます。センダの残高から配分が行われます。

配分をセンダ勘定コード 501000 502000 に貸方記帳したいとします。しかし、配分は勘定コード 601000 602000 の残高から行いたいと思います。これをシステムに定義するには、以下の操作を行います。

  1. センダに対して転記済残高の配分ルールを使います。
  2. 勘定コード 501000 502000 でセンダを定義します。
  3. 勘定コード 601000 602000 でセンダ値を定義します。

すると勘定コード 601000 602000 の残高が配分されますが、これらは勘定コード 501000 502000 に貸方として転記されます。

レシーバ配分ルール

レシーバ値のデータを配分するには、次のルールを使用することができます。

FI-SL 集計データベースで検索された値 ( 配分の基準として使われる ) にもとづいて、各レシーバに変動部分が配分されます。

変動部分を使った配分を登録するには、レシーバ管理を使用します。レシーバ管理を使う際に、次元および値は変動部分をトレースファクタとして使用して配分します。特定の値または次元値のセットを入力することができます。

センダからの金額の配分方法を設定するため、システムにレシーバ原価センタの従業員数をチェックさせるよう、配分を定義することができます。変動部分値を使って、センダからの配分前に、 EDP( 原価センタ 100) 、販売 ( 原価センタ 300) 、およびマーケティング ( 原価センタ 400) の従業員数の集計データベースレコードがシステムでチェックされます。

下の図は、以下を使用するダイナミックな配分の処理方法を示しています。

この例では、従業員数が原価センタごとにシステムに入力されているものとします ( たとえば、統計キー数値 ”従業員” のように )

 

 

変動部分を使って金額を配分すると、システムで次の処理が行われます。

  1. 配分金額を設定するために、センダのデータベースサマリレコードがチェックされます。
  2. 管理原価センタのデータベースサマリレコードがチェックされます。金額は 1,000 で、これが配分総額となります。

  3. トレースファクタを設定するために、 ( 変動部分値の定義どおりに ) データベースサマリレコードがチェックされます。

EDP 、マーケティング、および販売原価センタの従業員数のデータベースサマリレコードがチェックされます。金額は以下のとおりです。

EDP (100)

40

販売 (300)

60

マーケティング (400)

100

 

  1. 変動部分金額 ( トレースファクタ ) のデータベースサマリレコードが合計されます。
  2. EDP 、マーケティング、および販売の従業員総数を算出するためデータベースサマリレコードが合計されます。従業員総数は 200 です。

  3. 各変動部分のデータベースサマリレコードの金額がデータベースサマリレコードの合計金額で割られ、各変動部分の値に対するパーセント率が設定されます。

レシーバ原価センタの金額を 200 で割ります。配分金額のパーセント分は次のとおりです。

EDP (100)

40/200 = 20%

販売 (300)

60/200 = 30%

マーケティング (400)

100/200 = 50%

 

  1. 配分総額からレシーバにそのパーセント分を配分するために、各変動部分のパーセント率が使用されます。

レシーバ原価センタで、以上の計算にしたがって配分金額のパーセント分が受け取られます。配分金額のパーセント分は次のとおりです。

EDP (100)

1000 20% = 200

販売 (300)

1000 30% = 300

マーケティング (400)

1000 50% = 500

 

各レシーバに特定の固定金額が配分されます。オリジナルのセンダまたは配賦勘定に貸方記帳される金額は、レシーバに配分された固定金額の合計であり、センダ配分ルールも同時に適用されます。

固定金額を使ったデータの配分では、

配分周期が実行されるたびに、レシーバに同じ固定金額が配分されます。

センダから配分された金額にもとづいて、各レシーバに固定パーセント率が配分されます。各レシーバに配分されるパーセント率は定義することができます。このパーセント率は 100% 以下で定義してください。

固定パーセント率を使ったデータの配分では、

配分周期が実行されるたびに、レシーバに同じパーセント率で配分されます。 100% 未満を入力した場合、入力したパーセント率の金額のみがセンダに貸方記帳されます。センダベースは、常に 100% です。

センダ金額 :

1000

レシーバ値

 

原価センタ 100

10%

原価センタ 200

10%

原価センタ 300

50%

結果 :

 

原価センタ 100

100

原価センタ 200

100

原価センタ 300

500

センダ残高に 300 が残ります。

レシーバに、固定部分が配分されます。固定部分では、配分する部分を決定するのがユーザであるという点を除いては、固定部分ルールによる配分の処理方法は変動部分ルールと同じです。