マスタファイルについて 

特別目的元帳 (FI-SL) システム内では、 FI-SL システムで使用されるどの次元にもマスタファイル値を登録できます。

マスタファイル更新とは何か

FI-SL システムでは、他のアプリケーションのデータベースと FI-SL テーブルにあるマスタファイル値が使用されます。マスタファイルの値は、 FI-SL コーディングブロックに定義されているたいていの次元に対して有効です。マスタファイルの場所は、 FI-SL システムをインストールするときに カスタマイジング機能で定義します。このときのマスタファイルのロケーションの定義によって、次元に対して FI-SL システムがマスタファイル値にアクセスする場所が決まります。

勘定、原価センタ、会社コードのような標準次元では、これらの次元に対するマスタファイルが標準システムに存在しているため、更新の必要がありません。非標準次元のマスタファイル値だけを入力してください。

利益センタの次元では、管理会計 (CO) にあるマスタファイル値が検索されます。 SAP CO ソフトウェアを使わない場合は、利益センタのマスタファイル値が FI-SL テーブルで検索されるように FI-SL システムを設定することができます。

マスタファイル更新の概要

他のアプリケーションの共通マスタファイルに含まれていないマスタファイル値を登録するには、 FI-SL マスタファイル機能を使います。

利益センタ次元のマスタファイル情報が他の SAP アプリケーションのマスタファイルに存在せず、また利益センタ次元が FI-SL コーディングブロックに定義されている場合は、マスタファイル値を利益センタ次元に登録することができます。

次の図では、 FI-SL マスタファイル値が会社コード 1000 の利益センタの次元に登録されています。会社コード 1000 も管理会計 (CO) および財務 (FI) アプリケーションからのマスタファイル情報を使用します。

 

 

FI-SL システムで使う次元のすべてにマスタファイル値を追加する必要はありません。マスタファイル値が他のデータベースに定義されている場合は、その値を FI-SL に登録せずに、そのマスタファイルに入力されている値を使うことができます。システムで使用されるファイル値は、インストールの際に定義した条件を参照して決定されます。

FI-SL マスタファイル値は、次のような場合にしか更新されません。 (1) マスタファイル値を FI-SL システムに対してのみ追加したい ( 他のアプリケーションには追加しない ) とき、あるいは (2) マスタファイル値がシステム内の他のアプリケーションで保存されないとき。

レポートライタにテキストを提供したり、 FI-SL 配分および計画構成要素への有効値を検索するために、システムでマスタファイルが使用されます。また、 FI-SL 伝票入力の際は、値が有効かどうかをチェックするためにマスタファイルが使われます。

マスタファイルは、クライアントレベルとローカル / グローバル会社コードレベルで定義します。システムでは、まずマスタファイル値があるかどうか、ローカル / グローバル会社コードレベルでチェックされます。マスタファイル値がない場合、マスタファイル値がクライアントレベルでないかどうかがチェックされます。 FI-SL システムで、他のアプリケーションのマスタファイルに定義されていない次元のマスタファイル値を定義することができます。

マスタファイル値は次元別に保存されます。このため、次元にマスタファイル値を入力する前に FI-SL コーディングブロックに次元が存在していなければなりません。また、 FI-SL 特別に定義された次元にだけマスタファイル値を追加することができます。 ( 次元に FI-SL マスタファイル値を登録できるように ) マスタファイル値の登録条件の変更に関する詳細は、 特別目的元帳のための導入ガイド (IMG) を参照してください。

FI-SL マスタファイル値およびテキストを含む T830X ではない名称を持つ FI-SL テーブルを登録することもできます。これらのテーブルは T830A および T831A テーブルと同じ構造をしています。マスタファイルおよびテキスト用の FI-SL テーブルの登録に関する詳細は、 特別目的元帳のための導入ガイド (IMG) を参照してください。

FI-SL マスタファイルでは、値および値を説明する言語固有のテキストを次元に入力することができます。この値は FI-SL テーブルを更新するだけで、他のアプリケーションのデータベースは更新 しません。たいていの場合、他のシステムにあるマスタファイルに値は追加しません。

FI-SL マスタファイルに設定する値は、他のアプリケーションのデータベースの設定値と異なっても構いません。 FI-SL システムでは、 FI-SL マスタファイル値と他のアプリケーションデータベースのマスタファイル値の両方が使われますが、単一次元で値が混同されることはありません。

マスタファイル値をチェックするためにユーザ定義のユーザ Exit を実行する場合、 CMOD 機能を使用してこれらのユーザ Exit を実行できます。これにより、マスタファイル管理プログラムを修正せずにユーザ終了を登録および有効化できます。

既存の終了も使えますが、新規のユーザ Exit をこれまでの終了 (=xx) と区別するために =Uxx と名付ける必要があります。

マスタファイルの組合せのチェック

次元と次元値の組み合わせをチェックするための追加機能を利用することができます。 特別目的元帳用のカスタマイジングで基本設定マスタデータコード組み合わせ更新を選択することにより、以下が行われるように、 FI-SL サマリテーブルのオブジェクトテーブルに保存されている次元を更新することができます。

テーブルを使用する元帳に転記が行われる際に、次元の組み合わせがチェックされます。

オブジェクトテーブルの次元の組み合わせを更新できるようにするには、その前にテーブルの個別の次元について、カスタマイジングで ( テーブル T800D) エントリを更新する必要があります。これに関する詳細は、 特別目的元帳のための導入ガイド (IMG) マスタデータ統合更新のステップを参照してください。

また、 FI-SL プログラムが次元の組み合わせをチェックできるように、これらの組み合わせを有効化しておくことも必要です。

次元チェックは、チェック / 代入機能とは異なります。次元チェックでは、データの転記時に、オブジェクトテーブルに保存されている次元の組み合わせに対して、単純なチェックを実行することができます。チェック / 代入を使うと、個別のシステム設定および必要条件に応じて、チェック / 代入データ用に複雑なブール論理式を登録することができます。