概要 : FI-SL システムのシステム設定 

この項では、 FI-SL のシステム設定および使用のための基本的な方法を説明します。システム設定に関する詳細情報は、 特別目的元帳についての導入ガイド ( IMG) を参照してください。

  1. FI-SL システム構造の設計
  2. FI-SL システムをインストール、および設定する前に、システム構造を慎重に設計する必要があります。システム構造とデータ構造の設計には、十分に時間をかける必要があります。上手く組み立てられたシステム構造は、本稼動システムの効率的動作とシステムパフォーマンスの向上につながります。

    レポート要件に応じて、元帳で使用する次元および項目移動を決める必要があります。 ( 次元とは、ビジネスプロセスにおける特定の基準を表します。技術的には、次元はデータベーステーブルにおける 1 つの項目または列になります )

    上の図では、元帳 1 では勘定と原価センタの各次元が使用され、元帳 2 では原価センタとプラントの各次元が、元帳 3 では製品と製品番号の各次元が使用されています。元帳 1 2 は、原価センタ次元を共有し、さらにこれらの元帳で使用する次元はすべて 1 つのテーブルグループにあるので、この 2 つの元帳で 1 つのテーブル構造を使用することができます ( テーブルグループ 1) 。テーブルグループ 1 には製品および製品番号の各次元が存在しないため、元帳 3 では他のテーブルグループを使う必要があります。

  3. FI-SL データベーステーブルの登録

FI-SL システム構造の設計が済んだら、データベーステーブルを登録し、テーブルに含める次元を指定することができます。

FI-SL では以下のようなテーブルタイプが使用されています。

    1. オブジェクトデータベーステーブル
    2. ( レシーバ / センダおよびトランザクション属性 )

    3. 集計データベーステーブル
    4. 実績明細データベーステーブル
    5. 計画明細データベーステーブル

これらのテーブルタイプに関する詳細は、 FI-SL データベーステーブルを参照してください。

データベーステーブルを定義して ABAP ディクショナリに保存するには、 テーブルグループ定義機能を使用します。テーブルグループとは、相互に依存するテーブル ( オブジェクトテーブル、サマリテーブル、実績および計画明細テーブル ) のグループのことです。

テーブルグループの登録に関する詳細情報は、特別目的元帳導入ガイド ( IMG) のテーブルグループ定義のアクティビティを参照してください。

ロールアップ集計データからレポートライタレポートのオリジナルデータへドリルダウンする場合などには、ロールアップ実績明細テーブルおよびロールアップ計画明細テーブルを登録することもできます。

現時点では、テーブルグループ定義機能を使ってこれらのテーブルを自動的にインストールすることはできません。このため、カスタマイジングでテーブルコピー機能を使用して、システムに供給されている標準テーブル (GLREFU: ロールアップ実績明細テーブルおよび GLREFV: ロールアップ計画明細テーブル ) をコピーし、必要に応じて変更しなければなりません。

詳細については、特別目的元帳導入ガイド (IMG) テーブルコピーを参照してください。

データベーステーブルを登録する際に、特に以下の点を決める必要があります。

    1. ローカルテーブル ( ローカル会社用 ) が必要か、グローバルテーブル ( グローバル会社用 ) が必要かどうか
    2. オブジェクト / 取引先オブジェクトテーブルにどの次元を含めるか ( たとえば、勘定、原価センタ、事業領域など)、およびこの中のどの次元を取引先次元として使用するか ( センダ / レシーバ関係 )
    3. トランザクション属性のためのオブジェクトテーブルが必要かどうか
    4. サマリテーブルのデータ部分に追加次元を含めるかどうか。これらの次元は、特定のサマリレコード内の他の次元から一意的に導き出せなければならないものであるため、派生次元と呼ばれます。
    5. 実績明細テーブルに追加次元を含めるかどうか。これらの次元は伝票照会 ( または明細レポート ) のみで使用されます。
    6. データベーステーブル内で使用する通貨と数量
    7. サマリレコードに必要な期間数
    8. FI-SL テーブルに定義するデータベース索引

参照 :

データベース定義とインストール

  1. FI-SL データベーステーブルのインストール
  2. テーブルグループの定義、保存、および有効化を終えたら、テーブルグループ機能を使ってデータベーステーブルを直接インストールすることができます。

    詳細は、特別目的元帳についての導入ガイド ( IMG) テーブルグループ定義のステップを参照してください。

    参照 :

    データベース定義とインストール

  3. FI-SL マスタデータの登録
  4. 元帳で使用する次元 ( テーブル構造 ) の定義を終えると、システムで使用するマスタ ( 特別目的元帳、会社、処理タイプおよび項目移動 ) の定義を開始することができます ( 下図を参照 )

    特別目的勘定 : 特別目的元帳を登録する際は、特に元帳マスタデータ ( 元帳で使用する通貨と数量、元帳に転記ができるかどうか、および元帳をロールアップ元帳として使用することができるかどうか ) を定義します。また、データを元帳に転記できるようにするため、ローカル会社またはグローバル会社を元帳に割り当てる必要があります。次に、元帳を更新することのできる処理タイプを定義します ( ローカル会社 / 元帳 / 処理タイプ、またはグローバル会社 / 元帳 / 処理タイプ割当 ) 。元帳へのデータ転記のための追加基準を定義する場合には、元帳選択条件を入力することができます。

    会社 : FI-SL システムでは、ローカル会社およびグローバル会社を使用することができます。ローカル会社は FI システムで定義され、 FI-SL システムで最もよく用いられる会社です。ローカル元帳 ( 元帳 / ローカル会社割当 ) がローカル会社から直接更新されるようにシステムを設定することができます。グローバル会社では通常、 1 つまたは複数のローカル会社がグループ化されています。ローカル会社をグローバル会社に割り当てることにより、ローカル会社がグローバル元帳 ( 元帳 / グローバル会社割当 ) とローカル元帳を更新することができます。処理タイプ : 他の SAP アプリケーション領域または外部システムで入力されたデータは、処理タイプを使用して FI-SL システムに転送されます。元帳でデータを更新できるように、元帳に処理タイプを割り当てる必要があります。

    項目移動 : 項目移動を登録して、 FI-SL システム内に入力される次元を定義します。項目移動により、他の SAP アプリケーションから FI-SL システムの次元に移送される次元が決定されます。

    マスタデータの登録に関する詳細は、特別目的元帳についての導入ガイド ( IMG) マスタデータの手順を参照してください。

    マスタデータは、グラフィックナビゲーション機能を使っても定義することができます。この機能を使うと、会社、元帳、および処理タイプの関係をグラフィック表示することができます。この機能を使用すると、それぞれのシステム設定へ分岐するので必要に応じてその設定を変更することもできます。グラフィックナビゲーション機能の使用に関する詳細は、特別目的元帳の導入ガイド (IMG) のグラフィックナビゲーション使用のステップを参照してください。

    参照 :

    FI-SL マスタデータ

  5. システムへの追加必要条件の定義
  6. システムで使用するマスタデータを登録した後に、本稼動システムに必要な追加システム設定 ( 会計期間、バージョンなど ) を更新する必要があります。

    値と、値の組み合わせがシステムに入力された時点でチェックまたは代入 ( あるいはその両方 ) が実行されるように、ユーザ独自のチェックと代入を定義することができます。チェックと代入はデータの転記以前に実行されるため、 FI-SL システムには有効なデータのみが入力されます。

    明細データベースの更新についての詳細は、特別目的元帳のための導入ガイド ( IMG) を参照してください。

    参照 :

    FI-SL システムの追加必要条件

  7. FI-SL システムの使用開始

上記のステップを完了したら、個々のユーザのビジネス要件を満たす諸機能を活用しながら FI-SL システムを使用することができます。

参照 :

FI-SL の機能