いろいろな基準によって仕入先の全製品範囲は仕入先部門(VSR) に細分割されます。
どの品目または商品がどの仕入先部門に属するかを購買情報で指定することができます。また、購買発注の明細が仕入先が求める順序でソートされるように、仕入先部門における品目の部門ソート番号を指定することができます。
SAP システムでは、仕入先部門レベルで特定のデータを更新することができます。各仕入先部門に対して以下を実行することができます。
キ 代替データ を更新することができます。
購買組織に対して登録された購買データまたは取引先の他に、各仕入先部門 ( 異なる購買発注先住所、支払条件または取引先機能など) に対して、仕入先マスタレコードに代替データまたは異なる取引先を入力することができます。
アトランタの仕入先 Smith & Co. には、2 つの仕入先部門、洗剤と接着剤があります。
仕入先部門 " 洗剤" に属しているすべての品目は、メンフィスに発注されます。
仕入先マスタレコードで仕入先部門 " 接着剤" に対してオーランドの別の購買発注先住所を設定しています。
仕入先部門 " 接着剤" に属している品目を発注する際、仕入先部門によってオーランドの購買発注先住所が決定されます。
キ 特定の条件が適用されます。
各仕入先部門に対して別々の条件を更新および変更することができます。
ロジスティクス一般 のカスタマイジングで、仕入先マスタレコードに仕入先部門 (VSR) および代替データを設定するかどうか指定することができます。取引先 → 仕入先 → 管理データ → 定義: 勘定グループと項目選択 ( 仕入先) を選択し、仕入先部門関連/ 定義: 購買組織別画面レイアウト を選択します。
仕入先マスタで仕入先部門に対して代替データを設定する場合、仕入先部門 (VSR) レベルでデータ保持が可能な勘定グループを使用する必要があります。
購買情報の品目に仕入先部門を割り当てる場合は、あらかじめ仕入先マスタで仕入先部門を更新しておく必要があります。
仕入先マスタレコードに仕入先部門を入力することができます。
そのためには、購買データ画面で 仕入先部門 を選択します。 異なる言語で仕入先部門を登録することができます。
仕入先部門 ボタンが表示されない場合は、補足 → 追加購買データ を選択して、VSR レベルでデータ保存可能 を選択します。
仕入先マスタレコード ( 購買組織レベルで定義されているデータとは異なる支払条件やインコタームズなど) で、仕入先部門に対して代替購買データおよび取引先を設定することができます。
未登録の仕入先部門 (VSR) に対して代替データを入力すると、仕入先部門 (VSR) が自動的に登録されます。
追加情報については、代替データの設定および購買管理における取引先機能のセクションを参照してください。
仕入先の品目が属している仕入先部門 (VSR) を購買情報に保存することができます。
また、購買発注の明細が仕入先が求める順序でソートされるように、( 項目部門ソート番号で) 仕入先部門の品目のソート番号を指定することができます。これによって、仕入先は購買発注をより能率的に処理することができます。
仕入先部門の商品は、ソート番号にもとづいて自動的にソートされます。
仕入先部門接着剤内では、品目接着剤付構成品目のソート番号は 25 、そして液体糊のソート番号は 35 です。
購買発注の登録時、品目接着剤付構成品目および液体糊は購買情報で定義されている順序で自動的にソートされます。2 つの品目のソート番号は、明細番号として購買発注で採用されます。
購買情報に仕入先部門を割り当てることにより、取引先機能の複数の関係 (1 つのプラントに複数の仕入先購買発注先住所がある場合) を 1 つに限定することができます。したがって、例では、仕入先マスタレコードから ( 使用可能な複数の選択肢から) 適切な購買発注先住所を決定することができます。
企業グループの仕入先マスタレコードでは、仕入先 Miller Corp. およびSmith & Co. は、入庫プラントヒューストンに対する購買発注先住所として定義されています。
仕入先 Smith & Co. は、仕入先部門洗剤から粉末洗剤と染み抜きを供給する一方、仕入先 Miller Corp. は仕入先部門接着剤から粘着テープと液体糊を供給します。
購買部門は、液体糊に対して購買発注を登録します。購買担当者は、指定された品目を入力して、入庫プラントとして ヒューストンを指定します。仕入先部門が購買情報で設定されている場合、品目 " 液体糊" が仕入先部門接着剤に割り当てられるので、購買発注先住所として仕入先 Miller Corp. が決定されます。
一般条件
仕入先に適用される一般的な条件 ( すなわち期間依存条件) に加えて、仕入先部門に対しても一般的な条件を設定することができます。
仕入先部門に対して一般的な条件を設定するには、マスタデータ → 条件 → 割引/ 追加料金 → 仕入先部門 を選択します。
これらの条件は、仕入先部門のすべての品目に適用されます。品目に対して個別に条件を設定する必要がないため、データ入力の時間と労力を大幅に節約することができます。
購買部門は、仕入先Meyer Co. と 3% の割引交渉します。品目 15 kg を超える品目を Meyer Co. の仕入先部門接着剤に発注すると、Meyer Co. に行ったすべての購買発注に関して 3% の割引が行われます。購買部門は、この仕入先部門に 10kg の接着剤付構成品目および 20kg の液体糊を発注します。仕入先 Meyer Co. は、この発注に対して 3% 割引します。
詳細については、一般条件一覧のセクションを参照してください。
次の図は、特定の仕入先部門に関連する購買発注が登録される時、仕入先部門固有の代替データおよび条件がどのように決定されるかについて示しています。
次のデータが決定されるように、購買伝票の第一画面で、または明細の追加データで仕入先部門を入力します。
キ
仕入先マスタレコードで設定した仕入先部門に固有の他購買データおよび取引先
購買組織レベルの仕入先データではなく、下位の VSR
レベルのデータが提供されます。
キ
SAP
システムの仕入先部門に定義している一般条件
キ
購買情報で指定した購買発注明細のソート順序
たとえば、基本契約に対して第一画面で仕入先部門を入力すると、概要画面において個別明細に採用されます。 Enjoy
購買発注では、タブページ品目データで仕入先部門を設定することができます。VSR
は、仕入先/
品目組合せに対する購買情報によって決定されるので、VSR
を入力する必要はありません。
追加情報については、SAP Retail
文書
(
セクション仕入先:
仕入先部門)
を参照してください。
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