例 : 分散基本契約の使用
ピッツバーグにある
“METAL 社 ” の SAP システムで、 10,000 トンの " スチール 1" に対する契約が、契約タイプ “VK” ( 分散基本契約 ) にもとづいて プラントの指定なしで登録されます。この会社は、ミネアポリスとアトランタにプラントがあり、ヒューストンに
"Southern Metal 社 " という子会社を持っています。 子会社は、別の会社コードを持っています。 METAL 社がセントラルシステムで、ミネアポリスのプラントはローカルシステム No. 1 、アトランタのプラントはローカルシステム No. 2 、子会社はローカルシステム No. 3 です。セントラル
SAP システムで、その基本契約をローカルシステムにも利用できるようにします。すなわち、契約をローカルシステムに分散して、契約リリース発注を発行することにより、品目 " スチール 1" が調達できるようにします。 基本契約は、 ALE により IDOC を用いてローカルシステムに転送され、各システムにインポートされます。ミネアポリスのプラント
( ローカルシステム 1) は、基本契約に対して 2,000 トンのスチール 1 にリリース発注を発行します。 発行後は、基本契約に対するリリース発注可能数量は、 8,000 トンとなります。この情報を、セントラルシステムに渡さなければなりません。
そのために、 IDOC がセントラルシステムに転送され、セントラルシステムのリリース発注伝票が更新されます。 同時に、リリース発注伝票は、リリース発注 (2,000 トン ) を発行したローカルシステムで更新されます。アトランタのプラントが、次に
1,000 トンのリリース発注を登録します。 その結果、リリース発注伝票は、セントラル ( ピッツバーグの伝票による発注数量 :3,000 トン ) とローカル ( アトランタの伝票によるリリース発注数量 :1,000 トン ) の両方で更新されます。ローカルシステムのリリース発注伝票は、その場所のリリース発注に限定されます。
セントラルシステムのみが、 すべてのリリース発注を統合した一括のリリース発注伝票を持っています。つまり、セントラルシステムが基本契約の履行の度合を管理しています。
基本契約に対する全数量がリリース発注されるとすぐに、セントラルシステムでブロック区分が立てられます。このため、これ以降のリリース発注を登録できません。
子会社
( 別の会社コード ) が、適切な会社コード設定を用いて自社の購買組織を使用する場合は、プラントと同じ方法で基本契約に対してリリース発注を発行できます。