以下は、データ転送の準備に必要な全ステップについての説明です。
カスタマイジングで実行できる全ステップ ( 統計更新の無効化、購買発注未確定債務の無効化など) に関する説明を参照する場合には、購買管理のカスタマイジングでデータ転送 → データ転送: 購買発注 → データ転送の準備 を選択します。
購買発注データを転送する際の前提条件として、以下のマスタデータがシステムに登録されていなければなりません。
キ 品目マスタレコード
キ 仕入先マスタレコード
キ 購買情報
情報レコードデータを転送する場合は、以下の 3 つのオプションを使用することができます。
。 購買発注よりも前に情報レコードを転送した場合は、購買発注の転送時に購買発注履歴を更新することができます。前回の購買発注の番号が情報レコードに記録されるため、前回の条件が初期値データとして使用されます。
。 購買発注の後に情報レコードを転送した場合は、購買発注明細ごとの情報レコードの更新を非表示にする必要があります (MBEPOI-SPINF) 。
。 購買発注の転送時に購買発注明細の更新を有効にして (MBEPOI-WEREF) 、情報レコードを自動的に生成することもできます ( つまり、情報レコードを別に転送する必要がありません) 。
仕入先にまだ送信されていない購買発注と、送信済の購買発注のどちらも転送することができます。ただし、この 2 種類の購買発注は別々に転送しなければなりません。
購買発注が転送された後に出力レコードが登録されますが、これによって購買発注が出力されることはありません。
キ 送信済購買発注の転送
購買発注の転送に際しては、すでに転送済の情報が渡されることはありません。したがって、出力と生成の再出力を避ける必要があります。
出力決定機能を無効にします。無効にするには、出力タイプ NEU の全メッセージレコードと、( 必要に応じて) 関連するユーザ定義出力タイプを、マスタデータ → メッセージ → 購買発注 → 変更 と選択して削除します。
この場合、転送された購買発注に対する次の変更は通知変更 ( 変更履歴印刷) としてではなく、新規印刷として送信されます。
出力決定機能を無効にした場合は、データ転送後の後処理作業を行う際に出力決定機能を再度有効にする必要があります。
次の出力を通知変更として送信する場合は、ユーザ独自のプログラムを代わりに使用して、出力の処理ステータス (NAST-VSTAT field) を " 処理済み" (1) に設定し、1 回限りのデータ転送後に送信日として転送時刻を挿入する (NAST-DATVR) ことができます。この手順では、出力決定機能を無効にする必要はありません。
転送後の購買発注に対して追加的な変更がある場合には、通知変更として送信されます。
キ 送信されていない購買発注の転送
SAP システムに出力 ( 印刷または送信) する目的で送信されていない購買発注を転送する場合には、最初に出力決定機能を設定する必要があります。
出力決定機能の詳細については
購買管理の導入ガイド (IMG)
で出力管理と
MM
購買管理にある SAP
ライブラリのメッセージセクションを参照してください。
一部納入済および一部請求済、あるいはそのいずれかの購買発注の場合、入庫/ 請求仮勘定に対して未決済明細を生成するための勘定伝票が登録されます。
データ転送時に入庫/ 請求仮勘定に対して自動勘定設定が行われないため、転送を行う際に該当する勘定を指定しなければなりません。
したがって、プログラムの実行前に指定した入庫/ 請求仮勘定が、本稼働システムで使われる自動勘定設定機能によって正確に設定され、入庫/ 請求仮勘定の直接転記が可能であることを最初に確認する必要があります。
転送される貸借対照表の勘定コードに対して、逆転記を行いますがその勘定コードを指定する必要があります。このため、財務会計に従って使用されるこれらの勘定を正確に指定してください。
G/L 勘定を更新するには、アプリケーションメニューを使用します ( 会計管理 → 財務会計 → 総勘定元帳 → 個別処理 → 共通) 。
受領された請求書に関して購買発注を転送する際に、入庫/ 請求仮勘定に対する未決済明細が生成されます。ただし、未決済の仕入明細は財務会計 (FI) 領域から転送プログラムを使って転送する必要があります。
詳細についてはFI
財務会計:
データ転送ワークベンチ
を参照してください。
在庫勘定と在庫数量は、購買発注転送時に品目マスタレコード内で更新されません。この件の詳細については、MM 在庫初期化
を参照してください。
転送する購買発注の間隔を分析し、購買管理のカスタマイジングで購買発注 → 番号範囲の定義 と選択して、適切な外部番号範囲または内部番号範囲を設定します。
購買発注履歴を転送する場合は、外部採番を使用します。
購買管理 のカスタマイジングでデータ転送→ データ転送: 購買発注 → 転送準備 と選択して統計更新を無効にしてから、購買発注に対するデータ転送プログラムの実行時間を短縮します。
購買管理 のカスタマイジングでデータ転送→ データ転送: 購買発注 → 転送準備 と選択して関連する管理領域内の未確定債務管理を無効にしてから、データ転送プログラムの実行時間を短縮します。
転送ファイルで購買発注の正味価格を指定しているため、自動価格決定機能を無効にします。価格決定機能を無効にすることによっても、転送プログラムの実行時間が短縮されます。
自動価格決定を無効にするには、検索順序を指定しない条件タイプが 1 つだけ含まれるように、価格決定表を調整する必要があります ( 標準システムでは RM0000) 。このプロセスでは、標準条件タイプ PBXX を使用してください。小計 ( 有効価格、正味額など) は価格決定表にそのまま残します。
本稼働システムで使用する価格決定表を調整します。購買発注で最初に使用された価格決定表は、転送される購買発注のヘッダに保存されています。
購買管理 のカスタマイジングで条件 → 価格決定プロセスの定義 と選択して、自動価格決定機能を無効にします。
この件の詳細については、購買管理の導入ガイド (IMG) で価格決定プロセスの定義を参照してください。
テキスト採用機能を無効にします。これらのテキストタイプがリンクによって既存のマスタデータ ( 品目マスタレコード、情報レコードなど) から採用されないようにしてください。
購買発注のヘッダテキストと明細テキストは通常、プログラム RSTXLITF によって転送されます。テキスト採用機能を無効にするには、購買管理のカスタマイジングで 購買発注 → 購買発注のテキスト → テキストタイプとヘッダテキストのコピー規則の定義 、ならびにテキストタイプと明細テキストのコピー規則の定義を選択します。
購買発注履歴を転送する場合は、決済金額決定の必要があるかどうかを確認する必要があります。
入庫/ 請求仮勘定に対する未決済明細を設定し、購買発注履歴を正しく更新するために、関連する決済金額がプログラムによって計算されます。
決済金額決定の詳細については、文書 MM
請求書照合
の
入庫/請求仮勘定の更新および文書 MM
品目評価
の入庫/請求仮勘定の更新を参照してください。
使用可能な方針は以下の 4 つです。できるかぎり、方針'_' 、'1' 、または '2' を使用してください。
キ 方針 MBEPOI-WEREF = '_'
購買発注履歴は編集されず、入庫/ 請求仮勘定は転記されません。
この方針は、入庫も請求書も登録されていない明細を転送する場合に使用します。
キ 方針 MBEPOI-WEREF = '1'
決済金額を計算する際に、システムは請求受領 (IR) よりも先に入庫 (GR) が発生したものと想定します。
キ 方針 MBEPOI-WEREF = '2'
決済金額を計算する際に、システムは入庫 (GR) よりも先に請求受領 (IR) が発生したものと想定します。
キ 方針 MBEPOI-WEREF = '3'
プログラムによって使用される決済金額は計算されるのではなく、項目 MBEPOI-WEBTH と MBEPOI-AREWR から直接取り込まれます。
この方針は、既存の購買発注データにもとづいて決済金額を計算できる場合にのみ使用することができます。
- 項目 MBEPOI-WEBTH には ( 正味価格に入庫数量を乗じた値ではなく) 入庫の実決済金額を入力しなければなりません。
- 項目 MBEPOI-REBTH には、請求書金額 ( 税と割引を除く) に請求書受領数量を乗じた値が入力されます。
- 項目 MBEPOI-AREWR には、請求書決済金額を入力しなければなりません。
決済金額の計算例については、セクション例: 決済金額の計算方法を参照してください。