レポートライタの処理の概要 

目的

この項では、レポートライタレポート作成の主要な手順について説明します。

処理の流れ

次の図は、レポートの例です。レポートの行には原価センタと勘定コードが、列には通貨タイプ ( 国内通貨とグループ通貨 ) が表示されています。

 

 

次の手順で、上に示したレポートを定義することができます。

  1. レポートの行と列のセット、およびレポート用データを選択するセットを作成します。
  2. セットを使用レポートの行と列に表示するデータ、およびレポートに選択するデータを決定することができます。

    ・ データをレポートにどのように表示するかに応じて、セットを行、列、選択条件として使用できます。また、同じセットをさまざまなレポートで使うことができるため、レポートを定義するたびにセットを新しく登録する必要はありません。つまり、レポートの要件を満たすセットがすでにあれば、それを使用することができます。

    ・ レポートでは、一定のセット特性を使用してください。元帳、会社、バージョン、期間、およびレコードタイプの各特性に対する値を含むセットは、レポート行、レポート列、データ選択条件のいずれかで使用してください。

    レポート行用のセット :

    レポート行で使用するセットは 行ブロックと呼ばれ、 1 つまたは複数の物理行で構成されます。上のレポートでは、セット TD-CC-ACCT が行ブロックとして使われています。この TD-CC-ACCT には、次のセットが入っています。

    TD-RCNTR-12

    この基本セットには、 100 および 200 の各原価センタが含まれます。

    TD-RACCT-IE

    この単一次元セットには、基本セット TD-RACCT-INC ( 収益勘定 4000010 4000020 を含む ) および TD-RACCT-EXP ( 費用勘定 3000010 3000020 を含む ) が含まれます。

    レポート列用のセット :

    レポート列で使用するセットは 列ブロックと呼ばれ、 1 つまたは複数の物理列で構成されます。

    上のレポートでは、列セットすなわち列ブロックは TD-ACT-TL( 国内通貨とグループ通貨の実績データ ) です。このデータセットには次の値が入っています。

    HSL-0 ( 国内通貨、実績データ )

    KSL-0 ( グループ通貨、実績データ )

    レポートライタは、セット中の値ごとに物理列を作成します。

    レポートデータの一般選択条件としてのセット :

    レポート用に選択するデータを決めるためのセットも登録することができます。

    1995 を含む年度という特性を持つセットを登録するとします。このセットをレポートの選択条件として使用する場合、レポートライタは 1995 年のデータしか抽出しません。

    レポートライタでのセットの用途についての詳細は、 レポートライタでのセットの用途を参照してください。

  3. レポートのライブラリを選択します。
  4. レポートを実際に定義する前に、レポートのライブラリを選択してください。ライブラリは、レポート定義に使用する特性 ( 勘定、原価センタ、会社など ) 、キー数値 ( 国内原価、合計原価、活動数量など ) 、および事前定義列 ( 現会計年度の実際原価など ) の集合です。 1 つのライブラリのレポート定義では、そのライブラリに定義された特性、キー数値、事前定義列しか使用できません。

    詳細は、 ライブラリを参照してください。

  5. レポートを定義します。
  6. a) レポート行 ( 複数も可 ) を定義します。

    レポート登録 : 画面で、レポートの行ブロック ( 複数も可 ) に含めたいセット ( 複数も可 ) を入力します。選択したセットにより、レポートの行明細が決まります。セットヘッダのテキストを使用せずに、追加テキストを入力して、リード列と総合計、またはそのいずれかに独自のテキストを定義することができます。また、行ブロックで論理式およびキー数値を定義することもできます。

    b) レポート列 ( 複数も可 ) を定義します。

    レポート登録 : 画面で、レポートの列ブロック ( 複数も可 ) に含めたいセット ( 複数も可 ) を入力します。選択したセットにより、レポートの列明細が決まります。セットヘッダのテキストを使用せずに、追加テキストを入力して、リード列と総合計、またはそのいずれかに独自のテキストを定義することもできます。

    c) レポートデータの選択条件として使用するセットを入力します。

    レポート登録 : 一般データ選択画面で、レポートライタでレポートデータを選択するための基準を決めるセットを入力します。また、選択条件の追加定義に使用する選択ルールを入力することもできます。

    d) 必要に応じてレポートテキストを入力します。

    レポート登録 : テキスト画面で、レポートのテキストを入力します。レポートのページヘッダ、ページフッタ、レポート表題、タイトルページ、最終ページのテキストをはじめ、レポートを MS Excel にエクスポートする際に使用する特別なテキストを入力することができます。また、レポートを出力したときに表示される日付やユーザ名などの各種テキスト変数も入力することができます。

    e) 必要に応じて、デフォルトのレポートレイアウトをレビューします。

    SAP では、あらゆるレポート用にデフォルトの標準レイアウトを供給します。標準レイアウトにより、レポートのページレイアウトとレポートデータの数字書式が決定されます。デフォルトのパラメータを使う場合、このステップは不要です。一部のパラメータを変更する場合、 レポート登録 : レイアウト画面を使用します。

    標準レイアウトの登録に関する詳細は、 標準レイアウトを参照してください。

    特定のレポートに対するデフォルトパラメータの変更に関する詳細は、 レポートパラメータの定義を参照してください。

    レポート定義についての詳細は、 レポートライタレポートを参照してください。

  7. レポートをチェックします。
  8. レポートの定義を終えたら、レポートにエラーや警告エラーがないかをチェックしてください。この場合、レポート→チェック機能を使用すると、レポート登録でのエラーや警告を一覧表示できます。

  9. レポートをレポートグループに割り当てます。
  10. レポートの定義が完了したら、それをレポートグループに割り当てます。レポートグループには、同じライブラリからの 1 つまたは複数のレポートを含めることができます。レポートに同じ特性が入っている場合や、同じデータを共用する場合は、レポートデータを一度選択すればよいため、データがより速く選択され、処理時間が短くなります。

    詳細は、 レポートグループを参照してください。

  11. レポートグループを生成します。
  12. このステップでは、レポートライタによりレポートの処理に必要なプログラムが生成されます。

    詳細は、 レポートグループの生成を参照してください。

  13. ジョブを実行します。

このステップでは、レポートライタによりレポートで使用されるすべてのデータベースレコードが選択され、指定された書式で出力されます。

詳細は、 レポートグループの実行を参照してください。