この SAP コンポーネントには、以下の領域で必要な機能が含まれています。
キ 要素マスタの管理
要素マスタ ( 純物質、製剤、混合物、残存物質) 、リスク要因、梱包、廃棄物コード、および危険物分類に関する、すべての環境関連情報とその他の情報は、 要素マスタ という一般用語によって管理されます。要素マスタに対するこのようなデータおよびテキストは、 要素マスタで定義および管理します。要素マスタ ID 、品目割当、構造、要素マスタ一覧、および要素マスタプロパティに関するデータは、この領域に含まれます。
SAP システムでは、本稼動システムで、規定一覧 ( 要素マスタリストなど) および出典を更新することができます ( 規定一覧の管理と出典の管理を参照) 。
要素マスタ では、危険物規制と危険物分類のデータを記録することができます。危険物分類に関する追加情報は、SAP コンポーネント危険物管理の危険物基本データ ( プロセス: 危険物分類) セクションを参照してください。
キ フレーズ集管理
フレーズ集管理 では、標準テキストを登録して、必要となる記述および翻訳の量を削減することができます。フレーズは、フレーズ集で管理します。
キ レポート生成
要素マスタデータをレポート (MSDS など) に出力することができます。レポートのレイアウトは、Windows ワードプロセッサインテグレーション (WWI) を使用して構成することができます。これは、Microsoft Word の各機能も利用できることを意味します。レポートの生成時には、特別に定義したシンボルが SAP システム内の値に置き換えられます。フレーズは、指定した言語で出力されます。有効性と有効領域を使用すると、許可された要素マスタデータだけがレポートに表示されるように指定できます。
キ レポート管理
レポート管理 では、レポートの生成から最終発行までの必要な作業手順がサポートされます。データのバックアップ目的で、不要になったレポートを 履歴ステータスとして保存すると、いつでも呼び出すことができます。
キ レポート出力
発行したレポートは、レポート出力に使用することができます。レポート出力では、出力指図の登録からその保存までに必要となる各プロセスを管理します。品目安全データシートなどのレポートを自動出力できるだけでなく、更新されたレポートが自動的に出力されるように設定することなども可能です。この場合は、たとえば、レポートに出力された要素マスタまたはフレーズのデータが変更されたときに、レポートが自動出力されます。
キ 要素情報システム
要素情報システム では、要素マスタに関するデータに直接アクセスすることができます。
キ レポート情報管理
レポート情報管理 を使用すると、ステータスが発行済および履歴となる既存レポートを検索して表示することができます。
キ インタフェース
。 総合的なインポート/ エクスポート機能により、データベースへの書込後に、異なるシステム間でデータ交換を行うことができます。
。 また、ALE を使用して、要素マスタのデータおよびフレーズを配信することもできます。
。 EH&S ワークフローは、値割当の連続処理を支援します。
。 EH&S ArchiveLink を使用すると、SAP コンポーネント製品安全の文書を外部アーカイブシステムに保存することができます。
。 SAP コンポーネント危険物インタフェースの書込機能を使用すると、危険物の分類データを危険物マスタにコピーすることができます。危険物インタフェースの追加情報については、SAP コンポーネント危険物管理の危険物インタフェースセクションを参照してください。
危険物保管クラス、VbF クラス、および水質汚濁クラスに関するデータは、特別なトランザクションによって、 倉庫管理システムだけにコピーされます。
追加情報については、SAP 導入ガイド (IMG) のロジスティクス実行 → 倉庫管理 → 危険物 → 要素マスタデータベースからの危険物データのコピー を参照してください。
EH&S 各国語サポート (EH&S NLS) を使用すると、レポート出力において重要となるあらゆる EH&S データを、R/3 のすべての言語で入力、編集、および出力することができます。
数種類のコードページにさまざまな言語でデータを入力し、このデータをレポートに出力するには、EH&S NLS を使用する必要があります。EH&S NLS を使用した場合に限り、EH&S データがデータベース内に、SAP システムで使用される SAP (ISO) コードページの書式で正確に保存されることを保証できます。
本書では、EH&S NLS の使用を前提としています。つまり、いくつかの箇所では、EH&S NLS によってデータが正しく変換されるために必要なシステム前提条件および設定について説明しています。EH&S NLS が有効でなく、データが Microsoft コードページの書式で保存されているシステムでは、別の前提条件が適用される場合もあります。そうした前提条件については、本書では説明 していません。
SAP コンポーネント製品安全のすべての機能を使用できるように、以下の SAP コンポーネントをインストールしておく必要があります。
キ 設計変更管理
キ 文書管理システム (DMS)
キ 分類システム
キ 品目マスタ
キ 販売管理
キ 危険物管理
要素マスタ の要素マスタデータベースには、以下の機能があります。
キ 要素マスタプロパティの柔軟な定義
SAP コンポーネント分類システムを使用すると、要素マスタプロパティを必要に応じて柔軟に定義することができます。 分類システムでは、任意の数の項目 ( 特性) を含む任意の数のプロパティ ( クラス) を定義することができます。
キ 権限のコンセプト
要素マスタデータベースに保存されているデータの安全確保はきわめて重要です。R/3 の権限コンセプトは、要素マスタデータに対する不正アクセスを未然に防ぐためのものです。データに対するすべての変更はログに記録され、追跡が可能です。
キ 設計変更管理
法律や規則は、定期的に改正されます。この改正に伴い、システムの動作と要素マスタデータも変化します。要素マスタデータベースは、キー日付で指定が可能な一括変更にも対応しています。選択したキー日付に、すべての修正が有効になります。キー日付を変更することもできます。
キ 中央の要素マスタデータベース
SAP システムでは、中央の要素マスタデータベースを登録することができます。このデータベースは、会社間の問い合わせ用に、すなわち調査目的や災害管理の緊急情報を提供する目的で使用することができます。大量の情報が、1 つの中心的な場所に保管されます。データベースには、社内で実際に取り扱われない要素マスタに関するデータも、情報目的のために保管することができます。データをローカルの要素マスタデータベースに記録してから、中央の要素マスタデータベースに保存されているデータと照合して補正することができます。その後、中央の要素マスタデータベースのデータは、計画、チェック、および評価のためのデータ処理を行う各会社内の他のシステムに配信されます。
キ 標準インタフェース
標準インタフェースにより、既存アプリケーションまたは外部システムからの、費用効率の高いデータ転送を単純化できます。EH&S では、データ整合性チェックが実行されます。