レッスン 6 の概説 

これまでに、各ワークベンチツールがアプリケーション開発で果たす役割がよく理解できたはずです。このレッスンでは、プログラマのチームでアプリケーションを開発するときに必要になるツールと概念について紹介します。このレッスンを終えた時点で、次のことができるようになっています。

ABAP を利用したチーム開発の基礎になる概念を理解する。

R/3 システムに開発クラスを登録する。

開発クラスに加えられた変更を辿る。

オブジェクトをリリースする。

ABAP によるチーム開発の概念

ABAP により、大型プロジェクトの作業を複数のプログラマに分散することができます。買掛金管理モジュールと売掛金管理モジュールを含む会計管理アプリケーションプロジェクトを思い浮かべてください。 ABAP 環境はシステム内にプロジェクト用の作業領域を作るのが簡単です。次に、タスクを各プログラマに割り当てて、その作業の進捗状況に合わせてその流れを追うことができます。

開発プロジェクトを辿るときに使用するツールは、ワークベンチオーガナイザと言います。 ABAP 開発グループに大型プロジェクトを作成するステップは以下のとおりです。

開発クラスを登録する

開発クラスは、会計アプリケーションを構成するオブジェクトなどの、論理的に関連のあるオブジェクトをグループにまとめるものです。開発クラスは 開発オブジェクトの一種です。

変更依頼を登録する

変更依頼は開発プロジェクトに加えられた変更を記録します。たとえば、開発クラス内でプログラムを作成することは開発オブジェクトに対する変更と考えられます。変更依頼は個別の ABAP ユーザと関連付けられます。

プロジェクトをプログラムする

ABAP プログラムは、トランザクション、レポート、 Dynpro 、およびその他の開発オブジェクトで構成されます。プロジェクトのコンポーネントが複数のプログラマによって作られる場合、それぞれのプログラマに変更依頼の タスクを割り当てなければなりません。タスクは、誰がプログラムに変更を加えたかを追跡するときに役立ちます。

変更依頼をリリースする

変更依頼またはタスクが開発オブジェクトと関連付けられている間、オブジェクトはロックされています。このロックにより、他のユーザはオブジェクトの編集もできません。変更が完了してテストが終わった時点で、プログラマはオブジェクトをリリースします。

標準 SAP インストールでは、 1 台のマシンが開発システムとして機能し、別のマシンが本稼動システムとして機能します。新しいアプリケーションは開発システムで作成され、本稼動システムに移送されます。日常の作業は本稼動システムで発生します。

本稼動システムと開発システムを分ける必要があるのは、アプリケーションの変更がいつ有効になるかに問題があるからです。既存の ABAP アプリケーションに変更が加えられると、その変更は直ちに有効となります。システムを分離することで、開発作業が日常業務の流れに悪影響を与えるのを防ぎます。