拡張コンセプトへのイントロダクション 

SAP は、 R/3 アプリケーションスイートの中で幅広いビジネス機能を提供します。標準のアプリケーションだけでは必要な機能をカバーできないことがあります。 R/3 の拡張コンセプトよって、 SAP の標準ビジネスアプリケーションに独自の機能を追加することができます。

SAP は特定のプログラム、 Dynpro 、そしてメニュー用のカスタマ Exit を標準 R/3 アプリケーションの内部に登録します。これらのカスタマ Exit は、あらゆる機能をカバーしているわけではなく、留め金としての働きをします。この留め金にアドオン機能を引っかけることができるのです。

拡張コンセプトの目的

ABAP ワークベンチおよび SAP のクライアントサーバ開発環境を使用すれば、アドオンまたはアプリケーション全体を登録することができます。拡張というコンセプトがとり入れられる前には、 SAP ソフトウェアに独自機能を追加するには、標準の SAP プログラムをモディファイする必要がありました。 SAP ソフトウェアのモディファイは、少なくとも2つの危険性をはらんでいます。

標準のコードをモディファイするとエラーが発生することがあります
ユーザが標準プログラムのソースコードをモディファイすると、その修正によって、アプリケーションの別の部分に思わぬ結果がもたらされることがあります。いったん、標準ファイルの‘再構成’をはじめてしまうと、そのシステムが重大なエラーなしで動作するということを、 SAPは保証できなくなります。
モディファイを行うと、ソフトウェアのアップグレード時の作業が増えます
標準ソフトウェアパッケージを使用しているユーザが、ソフトウェアのアップグレードまたは新規リリースを利用したくなることはよくあります。現行リリースのソフトウェアをモディファイした場合、そのモディファイを保存し、アップグレードまたはリリースの変更があるたびに、それを再入力しなければなりません。修正の数や範囲によっては、この再入力のプロセスのために、新規ソフトウェアリリースの利用が難しくなったり、あるいは不可能になることもありえます。

拡張コンセプトは、このように問題の多いモディファイという方法に代わる優れた手段を提供します。

Exit を利用する理由

R/3 の機能を拡張するには、標準 R/3 アプリケーション内で使用できるカスタマ Exit を利用してください。 SAP ソフトウェアをモディファイするのではなく、カスタマ Exit を使用する理由は2つあります。カスタマ Exit に付加するアドオンには、以下のような利点があるからです。

標準の SAPソースコードに影響を与えません
SAP
のカスタマ Exitを使用して R/3に新機能を追加する場合は、標準の SAPプログラムのソースコードはモディファイされません。登録するコードおよび画面は別々のオブジェクトとしてカプセル化されます。これらのカスタマオブジェクトは標準のアプリケーションに連結はされますが、 SAPの標準ソフトウェアパッケージとは別に存在します。
ソフトウェアアップグレードに影響を与えません
SAP
のカスタマ Exitを使用して新機能を追加する場合、開発したオブジェクトはカスタマオブジェクトです。カスタマオブジェクトは厳格な命名規則にしたがいます。あるソフトウェアリリースをアップグレードする際には、カスタマオブジェクトは名称が特別であるために、標準ソフトウェアパッケージの変更または追加による影響は受けません。したがって、カスタマ Exitに付加したアドオンを保存し、再入力する必要はありません。

R/3 標準アプリケーション内のすべてのプログラムおよび画面でカスタマ Exit を使用できる訳ではありません。カスタマ Exit を利用できるのは、その Exit がすでに SAP R/3 システム内に存在する場合だけです。 Exit を持つアプリケーションの検索では、あらかじめ Exit が定義されているアプリケーションの検索方法を説明します。

機能を追加したい個所で利用できるカスタマ Exit がない場合には、 SAP Exit の開発を依頼することができます。オンラインサービスシステム( OSS )を通じて依頼を行うことができます。