概念 

測定単位は、業務アプリケーションのプロパティを測定するものです。このプロパティには、測定システム内のディメンションに関連づけられる物理プロパティ、および測定システム内で明確には定義されないディメンションのないプロパティが含まれます。

電子データ交換( EDI )で操作するときは、 ISO コード推奨に対応する測定単位を指定する必要があります。さらに、 R/3 システムの内部や外部の表示のために、測定単位には複数の別の名前が付いています。

物理プロパティ

物理プロパティに関しては、基本プロパティと派生プロパティを区別できます。派生プロパティは、基本プロパティの代数の組み合わせで定義できます。どの物理プロパティが基本プロパティとして参照されるか、また派生プロパティとして参照されるかはその使用目的により異なります。基本プロパティが異なるさまざまな測定単位系があります。基本プロパティはそれぞれ、測定単位系の基本ディメンションを1つ定義します。

SAP の標準的な出荷品では、長さ、時間、質量、温度、電流、照度、およびモル濃度という7つの基本プロパティによる国際単位系( SI )を使用しています。そのため、 SI 単位系には基本的なディメンションが7つあります。各ディメンションの基本プロパティは、特定の測定単位で測定されます。 SI 単位系の7つの基本ディメンションの測定単位は、 SI 単位のメータ( m )、秒( s )、キログラム( kg )、ケルビン( K )、アンペア( A )、カンデラ( cd )およびモル( mol )です。

測定システムの派生プロパティのディメンションはすべて、基本ディメンションの代数の組み合わせです。 SI 単位系では、派生プロパティの測定単位は、 SI 単位の組み合わせであり、それぞれの部分に固有の名称とその省略表示があります。

派生プロパティ

測定単位

名称

速度

m/s

---

加速度

m/s 2

---

kg m/s 2

ニュートン( N

エネルギー

kg m 2/s 2

ジュール( J

 

SI 単位系の各ディメンションについて、ある程度まで SI 単位以外の測定単位で定義することができます。あるディメンションについて異なった測定単位の間には、直線的な関係があります。この関係によって、1つのディメンションの測定単位の変換、および対応する SI 単位への参照が可能となります。

ディメンション

測定単位

SI 単位への変換

長さ

インチ(”)

0,0254 m

質量

トン( t

1000 kg

温度

セルシウス( °C

K - 273,14

エネルギー

エルグ( erg

0.0000001 J

 

このような定義は、測定単位(たとえばセンチメートルとキロメートル)を適切に使うために有効であり、また国によって固有の定義(たとえばフィートとマイル)となります。

1つのディメンションの異なった測定単位だけでなく、ディメンション間の関係も明確に定義されます。そのため、 R/3 システムでは、測定単位がカスタマイズテーブルで集中的に更新されます。派生プロパティのディメンションは、カスタマイズテーブル内で、関連する基本ディメンションの指数をリストすることによって定義されます。対応するカスタマイズテーブルの名称は、 T006 から始まります。これらのカスタマイズテーブルを、トランザクション CUNI および OMSC で更新します。このセクションで説明する汎用モジュールは、カスタマイズテーブルを使います。

R/3 システムでは、基本ディメンションの組み合わせは固有のものでなければならず、関連する派生ディメンションは1つだけになります。たとえば、エネルギー(力×距離)およびトルク(力×半径)は、同時に1つの R/3 システムでは定義することができません。

ディメンションのないプロパティ

業務アプリケーションでは、 SI 単位系の7つの物理プロパティの測定単位の他に、ディメンションのないプロパティ測定単位が重要です。これらの単位は、可算プロパティに使われます。ディメンションのない単位は、パレット、ボックス、ピースなどです。ディメンションのない測定単位間では、明確な関係がありません。その関係は、業務アプリケーションによって異なります。たとえば、ボックスには、 1 6 12 ピースが含まれることがあります。

R/3 システムでは、ディメンションのない測定単位間の変換は、テーブル MARM で明確に定義される項目です。複数のアプリケーションのテーブル MARM を、トランザクション MM01 および MM02 で更新します。このセクションで説明する汎用モジュールも、このテーブルを使用します。

測定単位の省略形 - ISO コード

ISO 標準 31 は、測定単位について記述しています。しかし、この標準では、測定単位の公的な省略形( ISO コード)に関する規則はありません。測定単位の ISO コードには、 UN/ECE UN Economic Commission for Europe, Information Office, Palais des Nations, CH-1211 Geneva, phone +4122917 2893, fax +4122917 0036, e-mail info.ece@unece.org, http://www.unicc.org/unece/oes/info.htm )による WP.4 の推奨 20 があります。電子データ交換( EDI )で ISO コードが必要なため、 R/3 システムの対応テーブルの各測定単位について推奨 ISO コードを更新する必要があります。

測定単位の内部表示および外部表示

R/3 システムにおける測定単位については、内部表示および外部表示を区別できます。内部表示は言語に依存せず、内部処理のためにだけ機能し、表面には現れません。外部表示は言語に依存し、画面出力のために機能します。外部表示については、アプリケーションごとに異なる名称タイプの中から選択できます。

・ 商用 ( 3 文字、大文字に限る)

・ 技術 ( 6 文字)

・ テキスト(短) ( 10 文字)

・ テキスト(長) ( 30 文字)

これらの名称タイプは、テーブル T006A で言語依存で更新されます。たとえば、ディメンションなしの測定単位、ピースの商用表示は、英語では PC 、ドイツ語では、 ST Stuck )、フランス語では PI Piece )です。

商用表示および技術表示は、言語情報とともに、対応する測定単位の内部表示のために言語依存キーを形成します。そのため、言語ごとに一意に更新する必要があります。

変換 Exit で商用表示および技術表示により定義される言語依存キーが使用されます。画面( Dynpro )上にこれらの変換 Exit を自動的に呼び出すか、またはドメイン LUNIT (技術的測定単位 ) および CUNIT (商用測定単位)がデータエレメントに使用されている場合は、 WRITE 命令の間に呼び出します。