外貨換算

このセクションでは、外国企業の勘定報告をグループ通貨で連結財務諸表の一部として扱う場合の、通貨換算の特徴と機能性について説明します。連結システムでは、この目的のためのいわゆる通貨換算法を提供します。この方法は、どの貸借対照表 / 損益計算科目のセットをどの換算キーと換算レートフラグで換算するかについて定義します。本質的に、次の 4 つの換算キーから選択できます。

・ ‘均一レート’を使った換算:これらは現行日(決済日レート、平均年次レート)の換算レートテーブルに入力されます。

・ 個々の財務諸表から得た期間と年度構造を基に、連結の取得時レートを使った換算

・ 遠隔地ですでにグループ通貨に換算されている値の振替(通常履歴値)

・ 取引通貨から、現地通貨を通らないで直接グループ通貨値の換算。

次の項では、最も重要な貸借対照表および損益計算書の科目に使われる典型的な処理を詳しく説明します。

固定資産

固定資産を換算するには、次の3つの法方があります。

・ 決算日レート法
資産マスタレコードには、すべての減価償却領域が現地通貨のみで収められており、連結にはローカル値しか転記されません。連結システムは、年次均一換算レートを使ってこれらの値をグループ通貨に換算します。これにより、決算日換算レートに変更した結果前の期間と現在の期間との間に生じた換算の差額が、資産履歴シートの個別の列に表示されます。

・ 取得年度別構成
外国企業もその資産を現地通貨のみで評価し、そのデータは連結部門によってしかグループ通貨に換算されません しかし、それぞれの取引タイプ(特に、減価償却、除却および振替)に取得年度の正しい換算レートを割り当てるためには、取得年度ごとに個別の資産マスタレコードを登録しなければなりません。このために、単一年度の取得しか資産マスタレコードに転記されないようにする設定を、カスタマイジングで行うことができます この設定を行ったら、その後の各年の取得を取得の年度に対応する補助番号の一覧の1つには新規の補助番号に転記する必要があり、除却(あるいは部分除却)は転記しなければなりません。取得期間別のより詳しい構成はこの方法により行えますが、実際にこれを導入するのは困難です。これを行うと、連結システムに非常に大量のデータを転送することになります。

・ 遠隔履歴換算
現地通貨による現地価額(商業貸借対照表、源泉徴収票、計算など)を保存するのとは別に、外国の会社コードでも連結財務諸表の現地価額および連結価額をグループ通貨で保管されます。会社は、システムが全取得換算を決済日レートでグループ通貨に換算するのに使う、独自の換算レートテーブルを更新します。除却と振替の場合は、現地売却額も、資産の合計取得および原価に対応したパーセンテージで企業領域に割り当てられます。各期間の減価償却は、準加重の取得時換算レートを使って決定されます。

最終的には、グループ通貨の金額は、個別の資産マスタレコードおよびそれらに対応する明細だけでなく、会計伝票でも使用できます リアルタイム更新ではこれらの金額にアクセスし、連結設定元帳に書き込みますが、連結設定元帳では、貸借対照表全体と同様に固定資産もグループ通貨で保存されます。財務会計における複数通貨の説明に関する詳細については、 FI の各マニュアルも参照してください。

所有者の持分

連結財務諸表では、所有者の持分は決算日レートもしくは取得時レートで換算されます。

取得年度中の投資の連結では、持分(またはその一部)が取得会社の対応する投資簿価に対して決済され、差額に対しては連結調整勘定(すなわち別の決済明細)が有効化されます。持分の明細がその後調整された場合、この調整を分析することによって、取得に伴う資本(留保)の増加を算定することが会社にとってとりわけ必要となります。このような場合、補助的勘定報告書上のものであっても、換算レートに何らかの影響があればそれを公開し、履歴評価も使用することが肝要です。したがって、持分勘定は必ず取引通貨、すなわちグループ通貨で転記し、同時に絶対に正確なグループ通貨への換算が行われるようにしますが、そのためには換算レートをマニュアルで入力する必要があります。

現在連結システムは、資本科目および投資科目に影響を及ぼすこのような微妙な取引の独自の追加仕訳帳入力履歴を保存します。仕訳帳入力履歴への自動インタフェースはまだ存在していません。このデータの量はまだ報告可能な程度に小さく、また機密性も高いため、この情報は非常に微妙な問題をはらんでいるため、現時点では自動化は計画されていません。上記に述べた推奨事項を考え合わせると、これらの持分勘定の統合は、連結に振り替えられた会計レコードに対して有効性チェックが適用される場合に、増えることになるでしょう。

債権、債務

売掛金勘定と買掛金勘定は通常、連結財務諸表には現行換算レートで記載されます グループ内部の売掛金と買掛金を相殺するとき、しばしば通貨関連の差額が発生します。ユーザは普通、これらを定期転記差額から分けておきたいと考えます。これを会社間の買掛金および売掛金の相殺の範囲内で(企業評価‘後’に)受け入れる場合、決算日レートでの換算を使うことができます。これに代わる方法として、会社間の買掛金および売掛金を取引通貨から直接換算することもできます。この場合、通貨関連の差額は外貨換算時(企業評価‘前’)にすでに分けられています。

その他の貸借対照表科目

その他の貸借対照表勘定においても、固定資産で説明した換算キーが使用できます。しかしながら、総勘定元帳の観点から再度説明します。

・ 決算日レート法:決算日レートによって換算を行う場合、連結財務諸表換算において特別な通貨処理は必要ありません。もし、企業グループによる財務諸表の日付における為替レートにのみ基づき、履歴値や日次値を必要としない場合には、構成会社の元帳に記帳する各項目にグループ通貨での評価額併記は必要ありません。

・ 日次レート法:連結財務諸表に対して、決算日関連の均一換算レートではなくより正確な日次換算レートを使って評価したい貸借対照表勘定がある場合は、該当の会社コードでグループ通貨のパラレル保存を起動します。こうして連結システムでは、グループ通貨に換算された金額は、直ちに選択された変換キーにより保持され、現地通貨より新たに変換された金額により上書きされることはありません。

・ 取得年度の構造:共通の履歴外貨換算をグループの親で行うには、総勘定元帳勘定で有効化できる FI 伝票が補足項目‘取得年度 / 期間’を含む必要があります。マニュアルで入力されたこの年度は連結に転送され、取得時換算レートを決定するために共通外貨換算で使われます。グループ通貨への換算は、国内コードに対しては発生しません。

・ 遠隔履歴換算:伝票ヘッダでは、マニュアルで取得時換算レートを指定するか、取得年度の構造とは反対に、換算レートを決定するための日付を指定します。すると指定した日付にしたがって、伝票の全科目は取引通貨から現地通貨に換算されるだけでなく、現地通貨からグループ通貨にも換算されます。これらの履歴企業値は伝票自体に保存され、また該当する場合は、ローカル元帳の対応する項目にも保存されます。そこから連結に振り替えられ、日次レート法と同様に変更されずに残ります。

損益計算書

基本的には、以下の必要条件が損益計算科目用に存在します。

・ 平均年次レート:決算日レート法のように、平均年次換算レートにしたがう共通換算には、国内会社コードにおける準備はまったく必要ありません。

・ 平均月次レート:個別の財務諸表における最低限の予防措置を取るだけで、共通外貨換算によって累積期間残高を期間換算レートで換算し、前期間からの企業値の変更を新期間項目へ入れるか、各期間の値を一致する期間の換算レートで換算することができます。

・ 日次レート:定期勘定報告書をより最新のレートで換算する場合は、ローカル換算を日次レートで補足伝票項目に有効化する必要があります。ローカルで換算された値は、現地通貨およびグループ通貨で連結に振り替えられます。共通外貨換算は、金額をグループ通貨で計算せずに算出される換算差額を判別するだけです。

・ 貸借対照表科目依存:ときどき、貸借対照表および損益計算書に記載された関連勘定(損益計算書償却、固定資産への年次調整など)を同様の方法で換算します 理由が何であれ、個別の財務諸表においてこれが不可能な場合は、連結の共通外貨換算が適当な依存性規則を使って、事実後にこれを部分的に正すことができます。