後続期間での差額の分割

消去ルールで説明したように、外貨換算によって生じる相殺差額とその他の要因によって生じる差額を分けることができます。 この場合は、以下の点を守ってください。

換算レートの変更

繰越プログラムでは、入力したデータと新会計年度に行った連結転記を通常は繰り越しします。 新会計年度で換算レートに変更があると、合計差額が取得後仕訳で不正確に分割されません。

以下の例はこの点を示したものです。

会計年度 01 で、2つの子会社間の買掛金と売掛金勘定が相殺されました。 このデータが繰越プログラムによって、会計年度 02 に振り替えられました。 会計年度 02 では、 FRF から DEM への換算レートが 0.4 から 0.5 に変化しました。

会計年度 01/ 換算レート 0.4

科目 / レベル

TC

LC

GC

売掛金勘定 /0

1,000 FRF

300 DEM

300 DEM

買掛金勘定 /0

1,200 FRF

1,200 FRF

480 DEM

 

差額のブレークダウン

合計差額 (TD)

=

180-

その他の差額 (OD)

=

80-

外貨換算差額 (CD)

=

100-

 

分割された差額は以下のように計算されます。 売掛金勘定と買掛金勘定の相殺消去セットの連結値が読み込まれ、 180- DEM の差額が決定されます。 換算レートによって生じた額と、その他の理由によって生じた額を決定するために、相殺消去セットの取引通貨の金額すべてが読み込まれ、その差額がチェックされます。 取引通貨で差額が見つかった場合は、その他の差額として ( グループ通貨に換算されて ) 通知されます。 上記の例では、 200- FRF の差額が見つかりました。 換算レート 0.4 を使用してこの金額が換算され、その他の差額の 80- DEM が通知されます。 180- DEM の合計差額の残高は 100- DEM で、これは外貨換算によって生じた差額を表しています。

連結仕訳

科目 / レベル

TC

LC

GC

売掛金勘定 /2

1,000 FRF

-

300 DEM

買掛金勘定 /2

1,200 FRF

-

480 DEM

その他の差額 /2

200 FRF

-

80 DEM

外貨換算差額 /2

0 FRF

-

100 DEM

 

残高が新会計年度に繰越になった後の値は以下のとおりです。

会計年度 02/ 換算レート 0.5

科目 / レベル

TC

LC

GC

売掛金勘定 /0

1,000 FRF

300 DEM

300 DEM

売掛金勘定 /2

1,000 FRF

-

300 DEM

買掛金勘定 /0

1,200 FRF

1,200 FRF

600 DEM

買掛金勘定 /2

1,200 FRF

-

480 DEM

その他の差額 /2

200 FRF

-

80 DEM

外貨換算差額 /2

0 FRF

-

100 DEM

 

差額のブレークダウン : ( 会計年度 02 の相殺消去入力から発生 )

合計差額

=

120 DEM

その他の差額

=

0 DEM

外貨換算差額

=

120 DEM

 

分割された差額は以下のように計算されます。 売掛金勘定と買掛金勘定の相殺消去セットの連結値が読み込まれ、 120- DEM の差額が決定されます。 相殺消去セットには取引通貨での金額に関連する差額が見つからないので、 120- DEM の差額はすべて外貨換算によって生じたものとして通知されます。

会計年度 01 の繰越残高からの差額と一緒にレポートされた差額の総計は、以下のとおりです。

差額の総計 :

合計差額

=

300 DEM

その他の差額

=

80 DEM

外貨換算差額

=

220 DEM

差額の正確な分割

換算レート 0.5 でのその他の差額 100- DEM および外貨換算差額の 200- DEM が通知されなければなりません。

・ その他の差額 100- DEM は、売掛金勘定と買掛金勘定の取引通貨の差額 200- FRF を新しい換算レート 0.5 を使用して換算した場合の結果です。

・ 外貨換算差額の 200- DEM は、合計差額 300- DEM からの残高を表しています。

正確しく分割されなかった差額の問題は以下のように解決します。 後続年度では、会計年度 01 に関する、該当する会社間取引債権債務相殺を反対仕訳して、それから会社間取引債権債務相殺を繰り返します。 これは、後続年度で実行済の入力を、自動的に反対仕訳する伝票タイプを選択して行います。 伝票タイプの説明も参照してください。

この問題は、相殺仕訳を新会計年度に繰り越した場合だけに生じるのではありません。 以下の2つの場合にも生じます。

・ 定期的連結

前期間からの換算レートが変更になった場合にも、相殺から生じる差額は正確に分割されません。

・ 個別財務諸表データを入力し、会社間取引債権債務相殺を実行した後に、期間内に換算レートが変更になった場合にも、 分割は正確ではありません。

差額分割への切り替え

ある会計年度の取引通貨別詳細がない会社間取引債権債務相殺から、次会計年度の取引通貨別詳細のある会社間取引債権債務相殺に切り替えた場合には、前年度の差額分割は今年度内で実行します。 相殺差額が損益計算書に記述されている場合は、現年度の当期利益は前年度に適用されるべき取引からの影響を受けます。

以下の例をみてみましょう。

会計年度 01 に、2つの子会社間の売掛金勘定と買掛金勘定が相殺されました。 残高繰越プログラムによって、繰越データが会計年度 02 に繰り越しされました。 FRF から DEM への換算レートは 0.5 です。 会計年度 02 で、会社間取引債権債務相殺が差額分割を伴って発生しました。

会計年度 01

科目 / レベル

TC

LC

GC

売掛金勘定 /0

 

200 FRF

100 DEM

買掛金勘定 /0

 

100 DEM

100 DEM

売掛金勘定 /2

   

100 DEM

買掛金勘定 /2

   

100 DEM

 

会計年度 02 ( 取引通価値が勘定に入ります )

科目 / レベル

TC

LC

GC

売掛金勘定 /0

80 DEM

200 FRF

100 DEM

買掛金勘定 /0

100 DEM

100 DEM

100 DEM

売掛金勘定 /2

   

100 DEM

買掛金勘定 /2

   

100 DEM

 

会計年度 02 には、 DEM 20 の取引通貨差額があります。グループ通貨には差額がないため、 DEM 20 の他の差額と DEM 20 の外貨換算差額が通知されます。これらのグループ通貨額の残高は 0 になります。

連結仕訳

科目 / レベル

TC

LC

GC

売掛金勘定 /2

80 DEM

   

買掛金勘定 /2

100 DEM

   

その他の差額 / 2

20 DEM

 

20 DEM

外貨換算差額 /2

0 DEM

 

20 DEM

差額分割が設定されていれば、これらの差額は会計年度 01 に通知されているはずです。

その他の差額と外貨換算差額またはそのどちらかを損益計算書でレポートする場合は、会計年度 01 に適用された取引によって、会計年度 02 の当期純利益が処理されます。これを矯正するには、会計年度 01 の値に対して、会計年度 02 の期間 01 で、差額分割を用いて会社間取引債権債務相殺を再度実行する必要があります。この差額は、未処分利益で決済する必要があります。

残高分割に切り替えるには、次のステップに従ってください。

・ 連結勘定科目更新で、該当する科目のブレークダウン通貨フラグを選択します。

・ 次のデータ入力書式で、取引先別、通貨別に科目を二段階で入力します。

・ 消去ルールで、取引通貨別詳細フラグを選択します。

・ 伝票タイプ更新で、 TC ( 取引通貨で転記 ) フラグおよび GC ( グループ通貨で転記 ) フラグを両方とも選択します。